大宮高校 齋藤瑛太#2「文武両道を実現する上で大切なことは...」【文蹴両道】

齋藤瑛太

 埼玉県立大宮高校は、未来を担う人材の育成を重視し、各生徒の様々な“学び”を尊重している。受験のための学力向上だけではなく、豊かな人間性や創造性を養うことにも注力する。

 男女共学では県内随一の進学校で、今春東大合格者19人中15人、東工大15人のうち13人、早大が98人中80人、慶大は51人中38人が現役で合格。加えて部活動加入率は約95パーセント、まさに文武両道を地で行く高校だ。

 優れたパーソナリティーの部員ばかりというサッカー部で主将を務め、体育委員でもある齋藤瑛太(3年)に文武両立の方法や苦手科目を克服するコツなどを聞いた。

――サッカー部ではキャプテンを任されていますが、責任の重さなどは感じますか?

 どうしても部員一人ひとりが同じ方向に向いていない時などもありますから、どうやったらチームメートが気持ち良く練習に取り組み、試合に臨めるかということをいつも考えています。

――グループLINEを使い、キャプテンがいろいろ発信しているそうですね。

 はい、試合前に次の相手とどう戦うかを話し合い、決まったらその方向性をLINEで示したりしています。公式戦が近づいた時やトレーニングマッチの直前などにやり方を明確にし、チームで共有するようにしています。

――キャプテンがひとりで担っているのですか?

 いや、副キャプテンと対戦チームを分析して検討を重ねながらやっています。

――サッカー部の雰囲気はどういった感じですか?

 みんな優しく接してくれますし、勉強でもよく分からないことがあれば、教え合ったりできるので、よりお互いを高められるんです。

――サッカー部の大きな目標が、全国高校選手権県予選で秋の決勝トーナメントに進むことですね。

 そうです、そこはぶれずにやっていきたいと思います。目標を達成するため、まずは一人ひとりが個の力で負けないくらいレベルアップすることが、何より重要になると考えています。うちのチームはテクニカルの部分で相手を上回っているわけではないので、個々が球際や切り替えの早さなどやるべきことをきちんと理解し、いかに徹底してやり続けることができるかに懸かってくると思っています。

――勉強についてお聞きします。これといった苦手科目がないとのことですが、強いて挙げると何でしょうか? またそれを克服するメソッドを教えて下さい。

 模擬テストでは数学の点数があまり良くないでしょうかね。でも学校の試験になると数学の成績は上がり、国語が良くないんですよ(笑)。より理解し、吸収するための自分なりの方法というのが何度も何度も繰り返して復習することです。定期テストで点数を取れたのに、模擬テストで取れないというのは忘れてしまっているものがあるからだと思います。出題される範囲が狭いと覚えているものですが、模擬テストで範囲が広くなり忘れてしまっていることがあるので、丹念に何度でも繰り返し学習する習慣をつけています。

――今は部活動と勉強に掛ける時間の比率はどの程度ですか?

 これから受験勉強が始まると別ですが、今のところ半々です。両方とも大事にしたいと思い、今はどちらにも精力を傾けています。

――好きなサッカーを楽しみながら続けていることが、勉強をはじめ学校行事などでも頑張れていると感じますか?

 そこはすごく感じます。集中力とかメンタル、気持ちのところで大きいのではないでしょうか。またスポーツをやることで精神面の強さのほか、体力も付いてきますから勉強をやる上でも体力面は重要な要素になってきます。そういう意味でも部活動に励むことが勉強にも生きていると感じます。

――うまく両立させている理由はどこにあると思いますか?

 そうですねえ、あまり深く考えたことはありませんが、目の前にあることをしっかりやっていこうという意志があるからではないでしょうか。あとはサッカーも勉強も楽しく、精いっぱいやり遂げたいという気持ちが強いからだと思います。自分は物事をポジティブに捕らえていくほうなので、同じやるなら楽しんで取り組まないと損しちゃう、という思考からだと感じています。

――目標にしている大学はどこでしょうか?

 現在は一橋大学の商学部を第一志望にしています。                       

(文・写真=河野正)

© サッカードットコム株式会社