[山根康宏の「言っチャイナよ」] 折りたたみ最軽量スマホやポルシェデザインコラボの高級スマホ、裸眼3Dスマホが続々登場

by 山根 康宏

世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。

2024年3月に発表・発売された5Gスマートフォンは12機種。内訳はシャオミ 1機種、HONOR 2機種、realme 1機種、vivo 2機種、その他6機種。ZTEとCoolpadが2機種ずつと意欲的に新製品を投入している。

vivoは1年ぶりに横折りスタイルの折りたたみモデルを発表、軽量タイプとカメラ強化の2モデル展開を行う。HONORはポルシェデザインを含むラグジュアリーモデルを2機種投入。シャオミはセルフィー強化のデュアルフロントカメラモデルにもライカコラボのリアカメラを搭載した。

高級レザー風仕上げのハイエンドカメラフォン「HONOR Magic6 Ultimate」

高性能カメラを搭載したHONORのフラッグシップ「Magic6 Pro」のデザイン変更モデルで、背面をヴィーガンレザー仕上げとしたモデルが「HONOR Magic6 Ultimate」である。

歴代のUltimateシリーズ同様に高級革製品を思わせるラグジュアリーなデザインで、オリジナルモデルとはイメージを大きく変えた。衛星通信対応やAI機能など、性能はMagic6 Proと同等である。なお同時により高級感を増した「HONOR Magic6 RSR Porsche Design」も発表している。

ポルシェデザインとコラボしたカメラモデル「HONOR Magic6 RSR Porsche Design」

HONORのポルシェデザインコラボモデル第2段となる「HONOR Magic6 RSR Porsche Design」は、高性能カメラフォン「Magic6 Pro」をスタイリッシュな外観に仕上げた製品。

コラボ第1段となる折りたたみモデル「「HONOR Magic6 RSR Porsche Design」と比べると、より大きいサイズのカメラバンプを6角形にしたこともあり高級感も増している。なお旧ファーウェイ時代からのポルシェデザインモデルのデザインは同時に発表された「HONOR Magic6 Ultimate」が引き継いだともいえる。メモリ24GBにストレージ1TBとメモリ構成も高い。HONORは2つのラグジュアリーモデルで高級端末市場でのシェアアップを目指す。

シリーズ最安値モデルとなるrealme「12x」

realmeの2024年上半期の主力モデルとなる「12」シリーズのベーシックモデルとして登場したのが「12x」。流行りの円形カメラバンプに5000万画素カメラを配置、基本性能を抑えつつもデザイン面で差別化を図った。

裸眼3D表示に対応するCoolpad「Daguan 3」

特殊なメガネを必要とせず裸眼で3D表示可能なディスプレイを搭載するCoolpad「Daguan 3」(大観3)は1499元という低価格で登場した。中国では通信キャリア中国移動傘下のMIGUが3D動画配信を行うなど3Dコンテンツも増えている。カメラやメモリ構成などはエントリークラスだが3Dコンテンツユーザー増を図る戦略的な製品ともいえる。

トリプルカメラの3Dスマホ、Coolpad「Daguan 3 Plus」

同時発表されたCoolpad「Daguan 3」同様に裸眼3D表示対応のディスプレイを搭載する「Daguan 3 Plus」(大観3 Plus)はトリプルカメラを搭載。フロントカメラ画質も引き上げスマートフォンとしての基本性能をDaguan 3より高めることで日常使いにも不自由ないモデルとしている。3D表示性能はDaguan 3と同等だ。

100W充電対応の低価格モデル、OnePlus「Ace 3V」

2024年1月に発表されたOnePlusのミドルハイエンドモデル「Ace 3」のスペックを引き下げ2000元を切る価格としたモデルが「Ace 3V」だ。ミドルレンジにも関わらず高解像度なディスプレイを搭載し、急速充電も100Wに対応する実力派モデル。合計9140mm2の冷却板も搭載し本体の発熱を速やかに放出できる。背面は円形バンプをやめオーソドックスなデザインとした。

デュアルフロントカメラとライカメインカメラ搭載のXiaomi「Civi 4 Pro」

女性をターゲットにセルフィー機能を強化したシャオミの「Civi」シリーズ最新モデル「Civi 4 Pro」はメインカメラの性能も大きく引き上げられた。フロントカメラは3200万画素の広角と超広角を搭載しグループセルフィーも高画質で撮影できる。メインカメラはCiviシリーズ初のライカコラボとなり高画質かつ美しいポートレート撮影にも対応した。

低価格ながら5000万画素カメラを搭載するZTE「Yuanhang 41S」

約1000元という低価格ながらもメインカメラを5000万画素としたZTEの「Yuanhang 41S」(遠航41S)は国産のUNISOCチップセットを搭載することで価格引き下げを実現した。背面のカメラバンプ部分デザインは高性能モデルのような八角形だが4つあるレンズに見える円の2つは「AI」や絞りのイラストを描いている。格安モデルらしからぬデザインで人気となりそうだ。

iPhone 15 Pro Maxより軽い、世界最軽量の折りたたみモデルvivo「X Fold3」

ディスプレイを内側に折りたたむ、内外デュアルディスプレイを搭載する折りたたみモデルとしては世界最軽量となるvivo「X Fold3」の重量はわずか219g。これはiPhone 15 Pro Maxの221gより軽い。軽量ながらカメラは5000万画素を3つ搭載し性能にも妥協を許さない。折り曲げた画面を途中で止めるフレックスモードにも対応している。なお防水機能は搭載されていない。

折りたたみで画面内指紋認証発対応のvivo「X Fold3 Pro」

vivo「X Fold3」の上位モデルとなるのが「X Fold3 Pro」である。ディスプレイは同等ながらチップセットを最新のものとし、カメラも望遠に6400万画素ペリスコープを搭載した。X Fold3に負けるものの厚み5.2mm、重量236gは軽量で、IPX8の防水にも対応。ディスプレイはイン、アウト共に画面内指紋認証を搭載しこれは折りたたみモデルとして世界初となる。

コストダウンを切り詰めた格安5GスマホZTE「Changxing 60」

ZTEの「Changxing 60」(暢行60)は数年前のスマートフォンを思わせる5インチ低解像度の上下にベゼル幅がかなりあるディスプレイを搭載している。

フロントカメラは画素数非公開で、画面の外のベゼル部分に配置されいてる。メモリ容量も少なく899元という価格から、スマートフォンを通話程度に使いつつ中国では生活に必須のモバイルペイメントに対応させた必要最小限の機能を搭載した製品となる。

ファーウェイ4G機を5G化したWiko「Hi Enjoy 70 Pro 5G」

ファーウェイの4G端末を5GにしたモデルがWikoの「Hi Enjoy 70 Pro 5G」(Changxiang 70 Pro / 暢享70 Pro 5G)である。2024年1月に発売されたファーウェイ「Enjoy 70 Pro」のチップセットをSnapdaragon 680からDimensity 700に変更、他のスペックは変わっていない。実質シングルカメラながら大型円形のカメラバンプにデザイントレンドを反映させている。なお背面にWikoのロゴは入っていない。

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