<レスリング>審判団を処分するも、勝敗に変更はなし…欧州予選でのバイラモフ(アゼルバイジャン)-チャミゾ(イタリア)

世界レスリング連盟(UWW)は4月23日、規律委員会が今月初めのパリ・オリンピック欧州予選(アゼルバイジャン)の男子フリースタイル74kg級の準決勝、ツラン・バイラモフ(アゼルバイジャン)フランク・チャミゾ(イタリア)の試合の審判に大きな疑義があるとしたことを発表。裁いた3人の審判員を含めた6人の審判団に、最長で今年12月31日までの職務停止の処分を決めた。

試合の結果は、ルールの第53条で「マット上で勝利が宣言された後はいかなる状況においても試合結果を変更することはできない」の規定が適用され、勝敗の変更はない。規律委員会は、負けたチャミゾは5月9日からの世界最終予選(トルコ)でトップシードに入れるよう要請したと言う。

▲判定の疑義は認められたが勝敗は覆らなかったフランク・チャミゾ(イタリア)。5月の世界最終予選でオリンピック出場枠獲得を目指す=UWWサイトより

UWWは、イタリア協会からの抗議を受け、2つの委員会を設置して試合を検証。両委員会は、レスラーの消極性を見逃すなど、試合中の一部のアクションが正しく採点されていなかったことに同意し、審判協議が効率的ではなく、タイミングミスがあり、チャレンジ協議がその機能に大きな欠陥を抱えていたことにも同意した。

UWWは「スポーツの誠実さを維持するために全力を尽くし、継続的な努力を行っています」との声明を発表した。

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