仏大統領、欧州防衛の強化求める 「滅亡のリスク」

Michel Rose Ingrid Melander

[パリ 25日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は25日の演説で「私たちの欧州が滅亡するリスクがある。私たちはそうしたリスクに立ち向かう準備ができていない」と警鐘を鳴らした。欧州連合(EU)がより断固とした姿勢を示すためのビジョンを提示するとともに、より一体となって防衛力を強化するよう呼びかけた。

パリのソルボンヌ大学での演説で、欧州は米国に従属した地域になってはならないと強調。軍事的、経済的といった圧力が27カ国からなるEUを弱体化させ、分断させる可能性があると警告した。

マクロン氏は、ロシアがウクライナで勝利することを許してはならないとも訴えた。欧州のサイバーセキュリティー能力の向上、EU離脱(ブレグジット)後の英国との防衛関係緊密化、軍高官を育成する欧州アカデミーの創設も提案した。

また、欧州の軍備品を優先的に購入すべきだとして「私たちはより多く、より迅速に、欧州製として生産しなければならない」と主張した。

欧州は「決して米国に従属しておらず、世界の他のあらゆる地域と対話する方法も知っていることを示さなければならない」とも述べた。

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