命のかたち、はかなく美しく 26日から透明標本展

幻想的な透明標本が並んだ会場=金沢21世紀美術館

  ●金沢21世紀美術館、魚類など500点

 様々な生き物の骨格などをカラフルに浮かび上がらせた透明標本が一堂に並ぶ「新世界『透明標本』展」(北國新聞社主催)は26日、金沢21世紀美術館で開幕する。25日の内覧会では、透明標本作家の冨田伊織さん(40)が会場を案内し、生物が進化の過程で獲得してきた造形の神秘と美しさを伝えた。

 透明標本は本来、骨格研究などの学術目的で製作されるもので、冨田さんは標本の透明度を高め、骨や軟骨などをより鮮やかに染色することで幻想的な作品に昇華させた。金沢展では、一般的な魚類からカメレオンなどの珍しい生き物まで500点超を展示する。

 前半の学術エリアでは、魚類や両生類、は虫類、鳥類、哺乳類などの透明標本に解説パネルを添え、生物の構造的な特徴を楽しみながら学べる。後半のアートエリアでは、光や音の演出を加えて生命の造形美を際立たせている。

 冨田さんは「透明標本に託した『生』のイメージを感じ取ってほしい。多様な生物に関心を持つ最初の一歩になればうれしい」と来場を呼び掛けた。会期は5月26日まで。

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