【日本ハム】連勝ストップも勢い止まらず? 好ムードの裏に新庄監督の抜かりない「気遣い」

試合前、マーフィー(右)とコミュニケーションをとる日本ハム・新庄監督

連勝は止まってもチームの勢いは止まらない!? 日本ハムは25日の楽天戦(楽天モバイル)で2、6、9回の3度の満塁機にあと1本が出ず1―5で敗戦。16日のソフトバンク戦(エスコン)から続いていた引き分けを挟んだ連勝は「5」でストップした。

試合後、新庄剛志監督(52)は「納豆ぐらいの粘りは見せていましたけどね」と苦笑いしつつも「(満塁機で)一発出ていたら…」と悔しがった。

14日のオリックス戦(京セラ)以来、11日ぶりの黒星。首位ソフトバンクとのゲーム差もこの日の敗戦で「2・5」まで広がった。上位キープを狙うチームにとってはここが踏ん張りどころだが、そんな状況でもベンチには重苦しい雰囲気は感じられない。むしろナインには明るさばかりが目立つが、この要因はどこからくるのか。

それはチームの好調ぶりもさることながら、指揮官の日々の「気遣い」が大きいともっぱらだ。

今季チームは、ここ数年にわたる戦力底上げの成果が出始め、投手、野手ともに試合に出る選手が固定化されつつある。必然的に「控え選手」は出場機会に恵まれず、調子やモチベーション維持が困難になる。現時点なら投手では中継ぎ左腕の福田や、いずれも助っ人右腕のマーフィー、ロドリゲス。野手なら正捕手・田宮に隠れる伏見らがその立場だろう。

新庄監督はそんな試合出場が限られる選手のモチベーションを落とさないようシーズン開幕直後から積極的に声掛けを試みている。特に試合前は時間が許す限り、グラウンド上を縦横無尽に選手らに歩み寄る。25日の楽天戦前も伏見、レイエスらをつかまえて談笑。マーフィーにはベンチ前で身ぶり手ぶりを交え熱血指導まで施した。

一般的に試合前の監督はベンチや打撃ケージ裏で選手らの練習を見守るが、新庄監督は自ら動いてコミュニケーションを図る。こうした日々の配慮が控え選手の意識を高め、チームに好影響を与えているのだろう。

これで開幕20試合を終え11勝8敗1分け。新庄監督がシーズン開幕前にブチ上げていた「開幕20試合で16勝4敗」というロケットスタートこそ実現しなかったものの、この時期にリーグ2位の「貯金3」なら不満はない。

「(今季のチームは)エスコンで調子いいからね。もう1回連勝できるようにみんなでやっていきます」と次戦以降に気持ちを切り替えている指揮官。日頃の選手への気遣いと、この高いモチベーションがあれば、当分急降下することはなさそうだ。

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