「モンスターを地に落とす存在になる」米メディアが悪童・ネリの勝利を予想! 井上尚弥は”パンチ不足”だと大胆勧告「バンタム級に専念せよ」

世紀の一戦まで、ついに10日を切った。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)と5月6日に東京ドームで防衛戦を行なう。

現地4月25日、世界のボクシング情報を日夜発信し続けている米専門メディア『Boxing247』は、”モンスター”と”悪童”が激突する注目のタイトルマッチを特集した記事を配信。「爆弾が飛び交うことが予想される戦い」と評しており、激しいファイトを予想しているものの、挑戦者・ネリ有利を予想。日本人王者に対しては、厳しい論調を繰り広げている。

同メディアはまず、「サウスポーのネリにはパワーがあり、元世界2階級王者としてイノウエとのタイトルマッチにふさわしい資格を持っている」と強調。しかし、「日本のファンは、この選択に異議を唱えている」と紹介し、ネリが2017年と18年に元WBC世界バンタム級王者・山中慎介との2度の世界戦で犯した不祥事を説明。「だが、それは問題ではなかった。ネリの方が若く、より強く、優れたファイターだったからだ」と、メキシコ人ボクサーの実力が山中よりも十分に上回っていたと言及。今回も、日本人ボクサー狩りの再現に期待を寄せている。

そしてこの試合は「スパイシーな対決」とも表現。「ネリはパワー、スピード、サイズを備えており、5月6日にイノウエのタイトル保持に終止符を打つ」と断言。ネリの勝利を予想しており、「イノウエは優秀なファイターだが、階級を上げるにつれて、対戦相手は特別な存在ではなくなっている」と分析。無敵のモンスター伝説の終焉を綴っている。
一方で、井上については辛口な評価が目立つ。昨年12月にマーロン・タパレス(フィリピン)から2度のダウンを奪い、10回KO勝利を収めた統一戦については、「タパレスは122ポンド級のファイターたちほどパワフルには見えなかった。そんななか、ナオヤのベストショットを簡単に受けてしまった。この試合は、モンスターのパンチが他の3階級で戦ってきた時のようなパワーを持っていないことを示した」と記し、テレンス・クロフォード(米国)に続き、史上2人目の2階級4団体統一王者となった日本人ボクサーの実力を疑問視している。

「この勝利でナオヤはパウンド・フォー・パウンドの上位にランクされることになったが、多くのアメリカ人は彼のキャリアにおける対戦相手のレベルに納得していない。そのため、彼がクロフォードと並び評されるに値するボクサーということを証明するためにも、彼はもっと努力する必要があるだろう」

そして記事では最後、井上に対し「ネリはモンスターを倒し、彼を地に落とす存在になるかもしれない。そうなった時点で、イノウエは再戦のことは忘れて、それほど打撃の強くない118ポンド(53.52キロ)に専念するのが、いい考えかもしれない」と提言。なんと、階級をひとつ下のバンタム級に戻すよう勧告している。

ネリは23日に都内のジムで練習を公開し、順調な仕上がりをアピール。両陣営とも最終調整に入っており、決戦に向け緊張感は高まっている。

構成●THE DIGEST編集部

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