【安全衛生・お薦めの一冊】『新版 化学の基礎から学ぶやさしい化学物質のリスクアセスメント』

「自律的な管理」に対応

化学物質を取り扱うすべての事業場にリスク低減のための自律的管理が義務付けられた。本書はその基本として、新規に化学物質を採用する際などのリスクアセスメントについて解説している。

原料や製品に含まれる化学物質の特定の際にはできるだけSDS(安全データシート)を参考にするとして、確認すべき項目を挙げる。さらに定量的・定性的なリスク評価手法として、取り扱う物質の量や性質、作業状況などによるばく露レベル推定方法、簡易的なリスクアセスメントツールであるCREATE-SIMPLEの使い方を説明している。

具体的なリスク低減措置では、法定事項の排気装置が正しく性能を発揮しているか調べることからはじめ、危険有害な化学物質の使用中止、別の物質への転換、運転プロセスの変更など、優先順に対策を示している。

化学物質の知識に自信のない事業場にも分かりやすく、業種問わず活用できる一冊だ。

(沼野 雄志・前田 啓一 著、中央労働災害防止協会 刊、TEL:03-3452-6401、B5判、104ページ、税込1100円)

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