栃木県/道路啓開計画骨子案まとめる、広域と地域のルート設定

栃木県は「栃木県道路啓開計画」骨子案をまとめた。震度5弱以上の地震を観測した場合、関係機関とともに道路の被災情報を収集し把握。「広域」と「地域」の二つの啓開ルートを設け、タイムラインに沿って作業を進める。道路状況の把握から啓開体制の確立、ルートや区間を決め作業実施までの手順を定めた。建設会社が保有する資機材の状況整理や、関係機関との定期的な情報伝達・車両移動訓練も行う。6月に素案、8月に案を固め9月の策定を目指す。
関係機関とつくる「栃木県道路啓開計画策定協議会」を25日に県庁で開き=写真下、骨子案を審議し承認された。冒頭、協議会の会長を務める栃木県の谷英夫県土整備部長は「頻発する地震災害に備え、発災直後に的確かつ迅速に行動できるよう関係機関で協力したい。忌憚(きたん)ない意見交換を期待している」とあいさつした。
骨子案によると、発災時に県が設ける災害対策本部が、道路管理者や栃木県建設業協会(谷黒克守会長)、警察、消防、自衛隊などと協力し啓開に当たる。震度5弱以上の地震が発生した際、県内9カ所の土木事務所が道路パトロールで被災情報を収集。栃木建協が独自開発した「道路河川等管理情報システム」で収集した情報のほか、関東地方整備局の国道事務所や東日本高速道路会社、警察関係者などからの被災情報も提供してもらう。
啓開ルートは、東北縦貫自動車道や北関東自動車道、国道4号、同50号で構成し最優先で啓開する「広域啓開ルート」と、高速道路ICと防災拠点を結ぶ緊急輸送道路を啓開する「地域啓開ルート」の二つを設定。発災後、▽数時間以内▽24時間以内▽3日以内▽1週間以内▽1カ月以内-のタイムラインに沿って啓開作業を進める。
啓開作業は建設会社が持つ資機材が重要になる。栃木建協会員各社の資機材保有状況を整理するとともに、建設関連団体との災害時協定の締結状況もまとめる。
同協議会は栃木県が関東整備局や東日本高速会社、東京電力パワーグリッド、栃木建協、陸上自衛隊らと3月に立ち上げた。今後は県内市町へ骨子案を示し、6月下旬の第3回会合で素案、8月下旬の第4回会合で案を審議。9月を目標に策定する。

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