東京都/復興小公園再生へ補助制度創設、地域の防災力向上にも

東京都が関東大震災後の復興事業で整備した「復興小公園」の再生促進に向け、新たな施策に乗り出す。復興小公園を管理・運営する地元区に対し、2024年度に助成制度を創設。都だけでなく国の助成制度も活用して、再整備を財政面でサポートする。再生を通じて関東大震災復興のシンボルとしての存在意義を高めるとともに、地域の防災力向上にもつなげる。
都都市整備局は24年度予算に復興小公園再生支援事業として5000万円を計上した。国が費用の10分の4、都が10分の3をサポートする。残りの10分の3は地元区が負担する。地元区は公園内の防災設備をレベルアップするとともに、公園がより地域住民の交流や憩いの場となるよう再構築する。
台東区は助成制度を使い、小島公園(小島2の9の4)を再整備する予定だ。広さは2796平方メートルで、旧区立小島小学校に隣接している。1931年に開園した。大きな複合遊具などを配置し、子どもが楽しく遊べる場を提供。災害時の一時集合場所にも指定されている。
復興小公園は、東京市(当時)が被災した小学校の再建に併せて隣接地に整備した。都心部にある学校の狭い敷地を補完するほか、防災拠点などとして利用している。敷地面積は2000~3000平方メートル。創設当時は52カ所設置したが、現在は49カ所が残っている。
復興小公園が所在するのは▽千代田▽中央▽港▽文京▽台東▽墨田▽江東-の7区。都は23年の関東大震災100年を契機に、パンフレットなどを使って復興小公園の由来をPRし、都民の防災意識啓発を図っている。地元区に対しては、防災施設の設置状況や国内外の優良事例を提供し、再整備を促進している。新たな助成制度も加わることで、再生を加速したい考えだ。

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