【やじうまミニレビュー】ミニPCやドック、USB充電器をデスク天板裏に取り付けられるアタッチメントを試す

by 山口 真弘

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。

アタッチメント「CEF-1U」を使えば、ミニPC(中央)や充電器、ドッキングステーション、ハブなどの機器をデスク天板裏などに容易に取り付けられる。愛三電機での実売価格は2,178円

デスク周りの配線を隠してスッキリさせたい場合、PCやドッキングステーション、USBハブ、充電器がデスク上に置かれたままでは、それを実現するのは困難だ。できることならば、それら自体をデスクの下などに隠して、ケーブル自体が目につかないようにするのが望ましい。

もっともデスクの下に隠そうにも、もともとそうした固定用のギミックを持っている製品でなければ、天板裏への取り付け自体がかなりの難関だ。たとえ取り付けられたとしてもガタついたり、ケーブルの抜き差しに支障をきたすこともしばしばだ。

今回紹介するのは、ミニPCやドッキングステーションなどの機器をデスク天板裏などに固定できるアタッチメントだ。これを使えば、ネジ穴やフック穴などの固定機能を持たない製品であっても、しっかりとデスク天板裏へと固定し、視界から隠すことができる。

八光電機製作所が販売しているこの製品、もともとはスイッチングハブなどを固定するための品で、厚み別に大小2モデルがラインナップされている。今回は「小」にあたるサイズ(型番:CEF-1U、高さ27~55mmの機器に対応)を実際に試してみた。

機器に合わせて厚みを自在に調節可能

こうしたデスク裏への機器の固定は、ホームセンターなどで入手できる市販の金具類を組み合わせればなんとかなるように思えるが、実際には一定の工作技術がなければまず不可能だ。木材など加工しやすい部材を使っての固定はできなくはないが、一時的な取り外しすらできないほどガッチリ固定してしまっては、メンテナンスなどで困ることになる。

本製品は高さを調節する機能を備えていることから、ミニPCやドッキングステーション、USBハブ、充電器などの四隅をぐらつくことなくしっかり固定できる。側面のネジを緩めれば、機器を一時的に取り外すことも簡単にできるなど、メンテナンス性も高い。また本体前面は広く開放されているので、ケーブルの抜き差しにも影響しにくい上、耐荷重も最大6kgと十分だ。

部品構成は、2つの金具を組み合わせた伸縮自在の支柱が4つ、およびネジ8本。利用にあたっては機器の四隅に合わせて配置を決め、デスク裏へとネジ止め。そのあと厚みを調節し、機器をセットすれば完成となる。機器に傷をつけないよう、支柱の内側にはシリコンも貼られているので安心だ。

四隅に配置する支柱と、それらを固定する部品、およびネジ×8本で構成される
パッケージはなくビニール袋に封入されている
支柱にあたるパーツに固定具を組み合わせた状態。これは一番上でネジ止めした状態
これは固定具を一番下まで下げた状態。機器に合わせて厚みを変えられる
4つの支柱をこのように並べてネジ止めし、機器をデスク天板裏などに固定する仕組み
内側には機器に傷をつけないようシリコンが貼り付けられている

ミニPCの取り付けに最適。ケーブルの抜き差しも容易に

今回は実際に2つの製品を取り付けてみた。1つめはミニPC(MINISFORUM「UM790 Pro」)で、本体の厚みは実測53mmと、本製品がサポートする範囲にギリギリ収まるサイズだ。

実際に取り付けてみたが、厚みがギリギリなのが幸いして、まるで専用品のようにジャストフィットで取り付けられる。いったん取り付けたあとも、手でネジを緩めることによって機器だけを取り外せるので、内部のパーツを交換する場合にも問題なく対応できる。

また前面にある電源ボタンやUSB Type-Cポート、背面にある電源ジャックやHDMIポート、有線LANポート、USBポートなどへのアクセスも支障なく行なえるほか、本体裏面にある4つの脚が天板との間に隙間を作っているため、裏面から側面排気口へのエアフローを塞ぐといった問題もない。

今回は長期試用は行なっていないため、本体を天地逆に取り付けた場合に放熱に支障はないのか否かまでは検証できていないが、ゴム脚を貼り直すなどの加工さえ施せば天地を正しい向きで取り付けることも可能なので、本製品以外のミニPCを取り付ける場合も含め、設置に支障はなさそうだ。

ミニPC(MINISFORUM「UM790 Pro」)。サイズは実測130×126×53mm
機器を天板裏に取り付けた状態(写真は分かりやすいよう天地を反転させて撮影している。以下同様)
反対方向から見たところ。ポート類などはまったく干渉しておらず、まるで専用品のようだ
側面にある吸排気口も塞いでおらず、エアフローでも支障はなさそうだ
デスクの一段下の棚板の裏に取り付けた状態
前面ポートへのアクセスも容易だ
ネジを緩めることで、支柱はネジ止めしたまま機器だけを取り外せる
本体底面にはファンがあるが、四隅にあるゴム脚のおかげで天板との間には隙間ができているため、エアフロー上の問題はなさそうだ

充電器やハブなど小ぶりな製品ほどポートが干渉する可能性

続いて試したのは、USB充電器(Anker PowerPort 10)。本体の厚みは実測27mmということで、本製品がサポートする厚み(27~55mm)からするとギリギリ取り付けられる薄さだ。厚みがギリギリいっぱいだった前述のミニPCとは正反対だ。

USB充電器(Anker PowerPort 10)。サイズは実測112×67.5×27mm

この製品、コンパクトなボディのかなり端までUSBポートが配置されており、余白に当たる部分がほとんどないため、USBポートはもちろん背面の電源ジャック、電源ボタンが支柱と干渉しがちだ。今回は百均ストアで購入できるゴム脚を機器の裏に貼り付け、天板からわずかに浮かせることで、なんとかこれらを干渉させないことに成功した。

このように、充電器やハブのようにボディが小ぶりな製品は、ポートやボタンが端に寄って配置されているせいで、取付時に支柱と干渉しやすくなる。今回のようにゴム脚を使って厚みを調節すれば解決する場合もあるが、うまくいかないケースもあるはずで、そうした点は導入にあたって念頭に置いておいたほうがよさそうだ。

実際に取り付けた状態。両端のUSBポートが金具に隠れ、抜き差しができなくなっている
背面の電源ボタン(左)電源ジャック(右)も、支柱との干渉を避けるためにはわずかにボディを浮かせなくてはいけない
百均ストアなどで購入できるゴム脚を貼り付け、再度取り付けにチャレンジ
天板からわずかに浮かせることでUSBポートが隠れず抜き差しができるようになった

電動昇降式デスクとの相性も良好

以上のように2つの製品との組み合わせを試してみたが、使い勝手は上々だ。デスク天板裏にこれらを隠せれば、ケーブルも含めて視界に入れさせず、見た目がスッキリするのに加えて、機器がしっかり固定されているためケーブル類を片手で抜き差しできるようになる利点もある。特に電動昇降式のデスクなどとの相性はよさそうだ。

今回筆者は秋葉原の愛三電気で購入したが、価格は税込2千円ちょっとで、ネットワーク機器のラックマウント用の部材が1万円や2万円はするのと比べて非常にリーズナブルなのもプラスだ。2種類あるサイズのどちらを選ぶかだけ、間違えないようにしたいところだ。

なお唯一気をつけたいのは、デスク下への設置時に、膝が当たる位置に取り付けてしまうと、ズボンなどを引っ掛けてしまう恐れがあることだ。支柱の先端は特に鋭利というわけではないが、取り付けた機器が薄く支柱が余っている場合、どうしても布が引っかかりやすくなる。このあたり、用心に越したことはなさそうだ。

薄い製品を取り付けると支柱の先がかなり余ってしまう。ズボンなど衣類を引っ掛けないよう気をつけたい
このほかデスク天板にネジ止めするにあたっては、必要となる余白も確認しておきたいところだ

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