栃木2遺体事件 被害者夫婦は空き家で実行役と接触か

被害者・宝島さんのお店があった〝宝島ロード〟の様子

栃木・那須町の河川敷で16日に焼けた夫婦の遺体が見つかった事件で、死体損壊の実行役とみられる2人組が殺害も実行した可能性が出てきた。16日未明に夫婦と実行役が接触したとみられる東京都内の空き家から血痕が見つかっていたことが25日、分かった。

防犯カメラの映像などから、東京・上野で飲食店を14店舗経営していた宝島龍太郎さん(55)と、妻幸子さん(56)は、15日夜、知人とともにレンタカーで移動。午後11時半ごろ、東京・品川区で知人と一緒にいる姿が確認されている。

一方、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳容疑者(25)は15日夜、自身の車で訪れた品川区内のコンビニで2人組と合流。2人組がその車に乗り午後11時半ごろ、コンビニを後にした。その後、2人組と宝島さん夫婦は16日午前0時ごろに空き家で接触したとみられる。

平山容疑者は車に乗らず、2人組について「数回飲んだことがあるが、本名は知らない」と供述。平山容疑者は、〝兄貴分〟に指示され、事件数日前に車とガソリンと粘着テープなどを調達したという。また、2人組の会話を傍らで聞いていて、「遺体を遠くに捨てるんだろうなと思った」と話しており、自分の車が死体遺棄・損壊に使われることは知っていたと思われる。しかし、実際は殺害まで2人組がやったかもしれない。

元警察関係者は「空き家で夫婦と接触した2人組が暴行で脅すだけだったはずなのに結果的に夫婦が死んでしまったのか、それとも最初から殺意があったのか、は大きなポイントです」と語る。

死体を見つかりやすい河川敷に捨てたずさんさが指摘されているが、その事情も変わってくる。

「殺意があったならば、2人組は殺しを請け負う組織の一員という可能性もあります。夫婦は上野界わいで多くのトラブルを抱えていたといわれていますが、直接手を出せば、すぐに捜査線上に浮かんでしまう。だが、依頼殺人ならばトラブルが多い分、依頼主までたどられにくい。死体がすぐに見つかっても海外に逃げられるとすれば、組織にとって死体の処理は重要ではないです。そもそも、見せしめのため見つかりやすくしたとも言われていました」と指摘している。

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