OpenStreetと加和太建設、箱根町でシェアモビリティ事業を本格展開、「電動サイクル」の設置も検討

OpenStreetと加和太建設は、神奈川県箱根町と箱根町観光協会の協力のもと、国内有数の観光地である箱根町の「芦ノ湖」周辺で、2023年4月から実施している「HELLO CYCLING」の「ハレノヒサイクル」を使ったシェアサイクルの実証実験を、4月26日からシェアモビリティ事業として本格的に事業を開始する。今後は電動アシスト自転車のみならず、特定小型原付に分類される「電動サイクル」など様々なモビリティの設置を検討していく。

観光利用に手ごたえ 今後は日常的な利用も取り込む

OpenStreetは、「移動をもっと楽しく、自由に。」をミッションに掲げ、どこでも借りられて好きな場所で返せる電動アシスト自転車や電動サイクルなどのシェアリングサービス「HELLO CYCLING」を展開している。現在、電動アシスト自転車の6種類に加えて特定小型原動機付自転車に分類される電動サイクルを提供しており、通勤や通学、買い物やお出かけなど、ラストワンマイルを補完する移動手段として、約310万人に利用されている。全国約8000カ所以上にステーションを設置し、車両台数は約3万5000台となっている。

加和太建設は、静岡県三島市を中心とした静岡県東部地域をメインに、主業の土木・建築業のみならず、施設運営や不動産活用など「元気なまちをつくる」事業を展開している総合建設会社。2018年から「まちの魅力を再発見するきっかけづくり」として始まった「ハレノヒプロジェクト」のひとつとして、シェアサイクル事業「ハレノヒサイクル」をスタートし、現在40以上のステーションを運営、行政と連携しながら展開している。

芦ノ湖周辺では、自動車で訪れる観光客による交通渋滞や駐車場の混雑が昨今の観光課題となっており、観光の体験価値を下げるとともに、地球環境への影響も懸念されている。OpenStreetと加和太建設は、芦ノ湖を訪れる観光客が、移動手段としてシェアサイクルを活用することにより、二次交通の充実・脱炭素社会への貢献・観光消費の拡大につながるかを検証するために、2023年4月から10月まで、芦ノ湖周辺に電動アシスト自転車が利用できるステーションを6カ所設置して実証実験を行ってきた。

シェアサイクルのステーション設置場所

実証実験の結果、観光客を中心に多くの人が利用し、一次交通の補完としての機能や交通渋滞緩和、観光消費拡大につながることが確認できた。実証実験期間中は、海賊船乗り場がある元箱根観光駐車場を起点にレンタルし、芦ノ湖周辺を周遊して元箱根観光駐車場に返却する人が最も多かった。利用の特徴としては、朝型や夜型の利用ではなく日中の時間帯での利用が多い、平日ではなく土日の利用が多いことから、観光目的での利用者が中心だと考えられる。季節では8月の利用が最も多く、夏休みを利用して観光に来た人の利用が多かったと推測される。

今後は芦ノ湖周辺のみならず、仙石原などへもステーションを設置し、観光利用に加えて日常の生活でも利用できるエリアを拡大する。また、実証実験期間中は冬季休業していたが、本格実施後は冬場もシェアサイクルを利用することが可能。さらに、電動アシスト自転車だけでなく、特定小型原付に分類される「電動サイクル」を含めた多様なモビリティを箱根町で展開できるよう継続検討していく。

OpenStreetと加和太建設は今後も、箱根町の交通渋滞の緩和や、公共交通機関の機能補完、脱炭素社会の形成、観光消費額の増加、地域住民の生活利便性の向上のため、多くの人に利用してもらえるシェアサイクル事業を運営していく。

シェアサイクルの利用料金は15分200円、12時間2000円。利用にあたっては、「HELLO CYCLING」アプリのダウンロードが必要となる。アプリで無料会員登録後、ステーションの検索や、自転車の予約から決済までを簡単に行うことができる。また、アプリの地図上に表示されているステーションであれば、全国どこでも貸し出し・返却が可能で、使いたいときに、使いたいだけ、便利に利用することができる。

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