広島都心の地下にのびる「雨水管」 浸水対策に期待 工事中の現場を土木学ぶ学生が見学

広島市中心部の地下で進む、雨水を流すための下水管「雨水管」の工事を、土木を学ぶ学生たちが見学しました。

広島市中心部の白島通りのそば―。雨水管の工事現場です。ここに土木工学を学ぶ専門学校の学生たちが訪れました。

見学会は、工事を請け負っている田村建設が企画しました。

記者
「こちらの階段で16メートル地下に降りてきました。ここが工事が進む雨水管の中です。私が楽々通れるくらい、直径2メートルあるそうです」

現在、工事中の雨水管の長さは400メートル。ことしの10月には共用開始で、雨水が流れ始めるそうです。

記者
「この雨水管、少しずつ傾斜がついていて、あちらの先で直径が2倍以上あるさらに大きな『雨水幹線』に合流するということです」

合流先となる雨水幹線は、市街地の地下を一直線に南に下っています。

雨水は、最終的には広島市中区南千田の処理場を経由して、広島湾に排水されるようになります。

雨水管の整備は浸水対策が目的です。このエリアはたびたび浸水被害が発生した地域です。

実は広島市では、約30年前からこうした雨水管の工事を市内中心部で進めています。

こちらの図の赤いラインが、すでに完成したり、これから整備が予定されたりしている雨水管です。これで10年に1度とも言われる1時間に50ミリを超える「非常に激しい雨」が降っても、浸水しないようになると期待されています。

見学した広島工業大学専門学校 土木工学 2年生
「雨水管が完成すれば、ものすごく役に立つと思う。水が道路に出ないよう下に逃がすと教えてもらった」
「現場はたくさんの人が働いていて、土木を学ぶ若い我々はもっといろんな経験をして将来に生かしていかなければと思った」

田村建設 工務部 小川静 係長
「都心部で電車通りもあります。もし事故が起きたら社会的被害や災害が発生してしまうので、私たちは日々、管理に努めています」

田村建設は、見学会で地下で進むデリケートな工事について知ってもらい、将来、一緒に働く仲間を増やしたい、と話しています。

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