蓮如しのび「ちょんがれ」 南砺・福光の土山御坊跡で踊りの輪、蓮如忌は見送り

土山御坊跡で披露されたちょんがれ踊り

 国宝・勝興寺(高岡市伏木古国府)の起源とされる富山県南砺市土山(どやま)(福光)の土山御坊跡で25日、浄土真宗中興の祖・蓮如上人が布教の際に念仏踊りとして広めたとされる「ちょんがれ踊り」が披露された。蓮如上人旧跡保存会が毎年開いてきた「土山御坊蓮如忌」は、高齢化で取りやめとなったが、福光ちょんがれ保存会が申し出て実現した。シャクナゲが咲き誇る御坊跡で、訪れた住民らと一緒に踊り、遺徳をしのんだ。

 土山御坊は、蓮如上人が越中布教の際に最初の拠点にしたとされる。旧跡保存会は、新型コロナウイルス前は毎年蓮如忌を開き、上人とのつながりを示す掛け軸を、虫干しを兼ねて展示してきた。

 コロナ明けの昨年、4年ぶりに再開したものの、世話役7人は皆75歳を超え、設営や展示作業をするのは困難と判断し、ことしの開催を見送ることにした。

 一切の行事が中止となる見通しだったが、毎年、蓮如忌に合わせて踊りを披露してきた福光ちょんがれ保存会の西村勝三会長(76)が「ぜひ踊らせてほしい」と申し出た。

 この日は、城端のちょんがれ保存会や地元住民も輪に加わって踊った。西村会長は「ちょんがれは郷土の文化遺産。勝興寺発祥の地で、皆さんが一緒に踊ってくれてうれしい」と話した。旧跡保存会の杉浦良夫会長(86)は「大事な日に踊ってもらい大変ありがたい」と話した。

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