中国経済はまだ「日本化」していないがリスクは依然存在―中国メディア

24日、第一財経は、中国経済が1990年代の日本に近づいているとの見方を否定する一方で、経済政策次第では「日本化」するリスクも確かにあるとする記事を掲載した。写真は上海。

2024年4月24日、中国メディアの第一財経は、中国経済が1990年代の日本に近づいているとの見方を否定する一方で、経済政策次第では「日本化」するリスクも確かにあるとする記事を掲載した。

記事は、中国では低インフレ、低成長、弱気な景気予測という状況が生じており、不動産の低迷、高齢化、外圧の増大という要素も相まって、中国経済が90年代以降の日本経済の低迷と同じ道を進むのではないかという市場や学者の懸念が高まっているとした。

その上で、中国経済は確かに多くの課題に直面しているものの、90年代の日本のような状況はまだ発生していないと指摘。中国の経済成長率はかつてに比べて鈍化したとはいえ、バブル崩壊後の日本を大幅に上回っているだけでなく、世界のほとんどの先進国をも上回る水準にあると伝えた。

また、中国の投資と資本ストックの伸びが比較的安定し、ここ数年の不動産投資の弱まりを製造業とインフラ投資がカバーしていること、16年以降の中国の出生率低下が労働供給に本格的に影響し始めるのは32年以降で、現時点では影響がないこと、90年代の日本のようなバランスシート不況に至っていないこと、新型コロナの反動という一過性の影響だけではなく、中国のサービス需要が伸び続けていることなどを挙げ、当時の日本とは状況が異なることを説明した。

一方で「マクロ政策が適切に対処されなければ、90年代の日本のような長期的な構造不況に陥るリスクも否定できない」と指摘。特に地政学的な面で今の中国は当時の日本よりも複雑な環境にあり、人口政策改革の推進、国際協力の強化、国内経済の競争力・適応力の強化などといった課題に対処するための総合的な対策を講じる必要があるとした。

記事は、中国の1人当たり所得水準はなおも低く大きな伸びしろがあること、都市化が現在進行形であり潜在的な市場が大きいこと、消費や産業、サービス業の発展の余地を大きく残していることなどが、中国が中所得国のわなを回避し、経済成長を持続させるための好条件を提供していると紹介。「ただ、景気後退の問題が長期化すれば、市場関係者の期待が変化し、発展のチャンスを逃すことで、景気後退がさらに長期化する可能性がある。したがって、政策立案者は経済動向を注意深く監視し、悪影響を避けるために速やかに行動する必要があると論じた。(翻訳・編集/川尻)

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