ティックトック親会社、法廷闘争失敗なら米事業閉鎖選ぶ方針=関係者

Kane Wu Julie Zhu

[香港 25日 ロイター] - 中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」運営会社を保有する北京字節跳動科技(バイトダンス)は、米国で成立したアプリ配信禁止につながる法律の撤回を求める法廷闘争がうまくいかなかった場合、ティックトックの米国事業を売却するよりも閉鎖したい考えだ。4人の関係者が明らかにした。

米国の法律は、ティックトック運営会社が約9カ月以内に米国事業を非中国企業に売却しなければ、全米でアプリ配信を禁止する内容。

ただバイトダンスに近いこれらの関係者の話では、ティックトックが依拠するアルゴリズムはバイトダンスの全事業にとって中核的な要素とみなされており、このアルゴリズム付きでティックトックが売却される公算は極めて乏しい。

一方、バイトダンスの全収入とデイリーアクティブユーザーに占めるティックトックの比率は小さく、最悪のシナリオとしても米国企業に買われるよりも、事業閉鎖にとどめることになるだろうという。

バイトダンスは大事なアルゴリズムを手放さなければ、ティックトックを閉鎖しても事業全体への打撃は限られる、というのが関係者の見立てだ。

米ITニュースサイト「ジ・インフォメーション」は、バイトダンスがティックトックのユーザーへのおすすめ動画を選択するアルゴリズム抜きでティックトックの米国事業を売却する道を模索していると報じている。

しかしバイトダンスは25日、ティックトックを売る計画はないと明言し、この報道を否定した。

バイトダンスは傘下の詳しい財務諸表を公表していないが、別の関係者によると、昨年のティックトックの全収入における米国事業の比率は約25%だった。

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