海洋高3年9人 漁や操船、航海実習 鹿島丸、茨城・大洗港を出発

生徒や保護者らに見送られる実習生ら=大洗町港中央

航海実習に臨む県立海洋高(茨城県ひたちなか市和田町)の実習船「鹿島丸」が25日、海洋技術科3年の実習生9人を乗せて同県大洗町港中央の茨城港大洗港区第4埠頭(ふとう)を出発した。実習生は約1カ月にわたり、操船技術の習得やマグロはえ縄操業などに取り組む。出港式が同埠頭で開かれ、生徒や保護者約300人が出席。岡田浩校長は「実習を通じ、これまで学んできた知識や技術を深めてほしい」と激励した。

実習生を代表し、深谷葵さん(17)は「目標の航海士になれるようしっかり勉強したい。一回り、二回り成長して戻ってくる」とあいさつした。

同科の生徒は約1カ月間の実習を2、3年で1回ずつ行う。今回は別府や高松、神戸各港に寄港しながら海図の描き方や潮の流れの調べ方、いかりの揚げ下ろしなどの操船技術を学ぶ。5月中旬からは、小笠原諸島付近でマグロはえ縄操業を行い、同26日に大洗港区に戻る予定。

実習生の石川龍さん(17)は「海図がしっかり描けるよう頑張りたい」と意欲を示した。

実習船の出港を見送る生徒らは、色とりどりの紙テープでエールを送った。

同校は今回初めて県内の中高生を対象に、体験活動を理由に学校を休んでも欠席扱いとしない「ラーケーション」制度を利用して出港式の参加者を募った。

祖父の船で一緒に釣りに行き、船が好きになったという茨城県東海村立東海中3年の佐久間蓮さん(14)が参加し、「式は迫力があってよかった。海洋高で船について勉強し、乗れるようになりたい」と話した。

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