元賞金王がアマチュアよりもロースペック? 今平周吾“5Sシャフト”の衝撃

練習日に2本の「5S」シャフトをテストしていた今平周吾(撮影/服部謙二郎)

◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 初日(25日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)

昨年、御殿場での「三井住友VISA太平洋マスターズ」で1Wを抜き、3Wの2本体制の奇策で優勝した今平周吾。ことしも同じコースで、意外なギアの変化を好発進に繋げた。

1W(ヤマハRMX VD/R)のシャフトをグラファイトデザイン ツアーAD IZから、藤倉コンポジットのベンタス TRブラックに変更。ただのシャフトチェンジのようで、驚くのはそのスペックだ。TRブラックには「5S」の表記があるではないか。ベンタスの中でもいくらハードなTRブラックとはいえ、多くのアマチュアゴルファーと変わらないスペックに驚いた。

ヘッドは継続してRMX VD Rを使用(撮影/服部謙二郎)

「最近ドライバーのつかまりがあまり良くなくて、スプーンのつかまり具合との差が気になっていたんですよね。そこでシャフトを替えてみたらどうかなと思って」と今平。最近まで使っていたIZは「6X」。かなりやさしい方向にスイッチしたことになる。「違いを感じたかったので、大幅にスペックを変えたかったんです。(5Sを)振ってみたら結構イメージ通りというか、ドライバーとスプーンの球がそろってきました」と即投入を決めた。

IZの5Sも試し、最終的にTRブラックの5Sに落ち着いた。シャフト自体は元調子系の安定感のあるものを選び、スペックはやさしく。その“良いあんばい”が今平の求めるつかまりを演出したのだろう。ツアーレップに聞くと、先端のチップカットなどはせず、そのままの状態だというから、まさに一般ゴルファーと同じようなカスタムシャフトで試合に臨んだというわけだ。

156人のフィールドで、「5S」を使っているのはおそらく、元賞金王の今平ただ一人(欧州ツアーのパワーヒッターも多いし)。「シャフトは『6S』じゃないと」とこだわるアマチュアもいまだに多いが、一流プロの方がよっぽど考え方が柔軟ということだろう。(静岡県御殿場市/服部謙二郎)

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