16歳の高校生は超現実派 まだ、ひなだけど¨ゴルフ脳¨は大人の菊田ひなが7位発進

16歳の菊田ひなが7位タイ発進を決めた(撮影:GettyImages)

<大王海運レディス 初日◇25日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6540ヤード・パー72>

出場108人の平均ストロークが71.7778とアンダーパーとなった第1ラウンド。混戦のバーディ合戦にアマチュア勢も乗り遅れなかった。3月の「明治安田レディス」、昨年7月の「ミネベアミツミ レディス」などレギュラーツアーで3度のベストアマがある都玲華が「67」で3位タイにつけ、4月の「オーガスタナショナル女子アマチュア」で日本勢最上位の14位タイとなった吉田鈴が「68」で7位タイ。その吉田と並んで首位と3打差につけたのが、大阪ルネサンス高2年の菊田ひなだ。

香川県出身の16歳は5バーディ・1ボギーの内容に「最近すごく調子が悪かったけど、きょうはいいプレーができた。小さなミスが大きなミスにならずに、しっかりパーを拾えた。きょうは満点です」とにっこり。いずれもレイアップに徹したパー5で奪った3つのバーディには「マネジメント通り。すごく良かったと思う」と自賛した。9番は残り98ヤードをピンそば50センチにつけ、11番はフォローの風をしっかり計算し、残り85ヤードを58度のウエッジでベタピン。17番も残り115ヤードをピンそば50センチに計ったように乗せて、難なくバーディを奪取した。

ゴルフ好きの両親の影響で8歳からクラブを握り、中学3年のときに「四国女子アマ」を制した。昨年のこの大会は13位タイでベストアマを獲得。レギュラーツアーの出場経験はまだないが、将来有望な逸材候補として注目されている。直近の大きな目標は「日本女子アマで決勝ラウンドに進むこと」と来年のプロテスト合格。将来は米ツアー挑戦も視野に入れていると思ったが、「プロテストにも合格していないのに、そんな先のことなんて。まずプロになって、OTで結果を残し、ツアーで活躍できる選手になりたい」と地に足がしっかりついている。

得意クラブはドライバー。「距離は最近また伸びました。245ヤードくらいです」と161センチの体をフルに使った飛距離が大きな武器だが、本人は「周りに左右されないマネジメントが自分の1番の強みだと思います」と胸を張る。あどけないルックスとは裏腹にメンタルと思考はすでにプロの領域。「去年も初日は良かったけど、2日目、3日目でスコアを落とした。今年はそうならないようにしたい」。16歳の女子高生はまだ¨ひな¨だけど、実にしっかりしている。(文・臼杵孝志)

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