レトロ和だんす、魅力知って 家具のヤマヒョウ(山形)がミュージアム

家具のヤマヒョウが店内を改装し、新たに開設する和箪笥ミュージアム=山形市蔵王半郷

 和だんす再生業「家具のヤマヒョウ」(山形市、井上英俊社長)が27日、山形市蔵王半郷の自社店舗をリニューアルし、店内に「和箪笥(わだんす)ミュージアム」をオープンさせる。店内は随所に再生材を使い、出入り口正面に和だんすの部材を用いた壁面オブジェを置いた。ミュージアムは井上社長が収集した古い和だんすを紹介し、その魅力を伝える。

 同社はもともと家具小売業で、約20年前に和だんす再生事業に進出した。再生を担う仕事柄、今回の改装では柱やはり、天井、扉など至る所にたんすの端材、工務店の倉庫に眠っていた木材、譲り受けた蔵戸やガラス戸、建具を活用した。外装も木があふれ、看板は生まれ変わった。

 ミュージアムは井上社長が30年にわたり集めた和だんすや船だんすなど計約50棹(さお)を並べる。県内外で江戸―大正時代に作られたたんすで、金具や造りの違いと変化の歴史に触れることができる。再生時にたんす内から見つかった明治期の新聞も展示する。

 改装に合わせ、端材や金具類を再利用し、アップサイクル型のブランド「ヤマヒョウオリジナルズ」の販売も始める。時代だんすの味わいは残しながら、コンパクトにした上で、手頃な価格に設定し、購入、使用しやすくした。第1弾は卓上たんす(幅28センチ、奥行き16センチ、高さ25センチ)を2万~3万円で販売する。

 井上社長は「若い世代に足を運んでもらい、和だんすの魅力を知ってほしい」と話す。再生工房の見学も受け付ける。営業時間は午前9時~午後6時で、水曜定休。問い合わせは同店023(688)2624。

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