米最高裁、トランプ氏免責巡り一定範囲の適用に理解 公判遅れも

John Kruzel Andrew Chung

[ワシントン 25日 ロイター] - 米連邦最高裁は25日、トランプ前大統領が2020年大統領選の敗北を覆そうとしたとして起訴された事件で、免責特権が適用されるとの同氏の主張の是非について口頭弁論を開いた。多数派を占める保守派判事らは在任中の行為に一定程度の免責を適用することに理解を示した。

ただ、判事の大半は、トランプ氏側が主張する全面的適用を認めない姿勢を示唆。核関連機密を外国に売ったり、軍にクーデターを命じるなどの行為も免責されかねないとの懸念を示す意見があった一方、それほど重大ではない行為については適用が妥当との見方が示された。

判決の方向性は見えなかった。

保守派のアリート判事は、大統領が再選を果たせず新たに発足する政権下で訴追されやすくなれば「民主主義国家としての機能を不安定にするような連鎖に陥らないか」と疑問を呈した。

保守派のロバーツ長官は免責特権がなければ大統領への起訴が乱発するとの懸念を示した。

保守派判事らは下級審に審理を差し戻す意向を示唆。問題とされるトランプ氏の行為でどこまでが公務や免責対象なのか定めるよう指示するとみられ、公判開始がさらに遅れそうだ。

トランプ氏が大統領選結果を覆そうとした事件の初公判は当初3月に予定されていたが延期されている。

最高裁は6月末までに判断を示す見通し。

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