「1500万円納税しないと」 慌てる客に声かけ、投資詐欺を防止 銀行員2人に感謝状 長崎

感謝状を手にする広瀬さん(左から2人目)と吉川さん(同3人目)=島原署

 島原署は25日、交流サイト(SNS)上で投資を持ちかけられ1500万円をだまし取ろうとするSNS型投資詐欺を防いだとして、十八親和銀行島原支店・総合営業グループ課長の広瀬英治さん(49)と副支店長の吉川昇子さん(53)に署長感謝状を贈った。
 同署などによると、3月28日午前11時ごろ、男性客が来店し、「1500万円を振り込みたい。投資で出た利益を得るためには1500万円くらい納税しなければならない」と慌てた様子で伝えた。対応した広瀬さんは詐欺を疑い、「投資の利益は源泉徴収されて入金されるので、先に税金を振り込むのはおかしいですよ」と声をかけ、吉川さんと連携して警察官が来るまでの間、男性を支店に引き留めて被害を防いだ。
 男性は50歳代。1月末ごろ、フェイスブックに掲載された投資講座の広告にアクセスし、投資の専門家を名乗る人物から偽の外国為替証拠金取引(FX)サイトに登録させられていた。
 サイトは利益が出ているように装われており、その人物からLINE(ライン)で「8千万円の利益を受け取るためには、税金として1500万円入金しなければならない」と要求されていた。
 感謝状を受け取った広瀬さんは「実際に対応するのは初めてだったが、最近はSNS投資詐欺についてよく聞く。これからも防いでいきたい」、吉川さんは「誰一人、被害者を出さないよう水際で食い止めたい」とそれぞれ話した。

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