韓国財政、もはや格付けの強みではない 債務増抑制を=フィッチ

Jihoon Lee

[ソウル 26日 ロイター] - 格付け会社フィッチは、韓国の財政はもはや同国のソブリン格付けにおける強みではなく、今や中立的な要素になったと指摘した。その上で、債務の増加を抑制するための取り組みが早急に必要との見方を示した。

アジア太平洋地域ディレクターのジェレミー・ズック氏は25日、ロイターのインタビューで「財政指標はこの5─6年間、やや悪化している」と分析。

「コロナ禍前は、韓国の債務比率は『AA』格付け国の中央値よりもはるかに低かったが、現在は中央値とほぼ一致している」と述べた。

フィッチは先月、韓国の信用格付けを「AA-」(見通し「安定的」)に据え置いた。その際、韓国の国債比率は2024年に国内総生産(GDP)比51.4%となり、「AA」格付け国の中央値48.5%を上回ると予想。28年には53.6%となると見込んだ。

韓国はこれまで慎重な財政支出を背景に信用力を高め、格付けは英、仏、ベルギーと肩を並べる水準に改善。ただ、コロナ禍を受けた景気刺激政策により、債務比率は23年に50.4%と、18年の35.9%と比べて急上昇した。

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