「施設イチの問題児」の過去がある元保護猫と家族になり8年目 “もじもじ”した姿で飼い主を幸せにする存在に!

もじもじっぷりが可愛い…!

引用元:@kitto_kijitora

紹介するのは、Instagramユーザー@kitto_kijitoraさんが2023年2月に「今日のもじもじ」と投稿した、こちらの写真。そこには、愛猫のきっとちゃん(取材当時8才)が、首をかしげながらちょこんと座っています。

何かを言いたげな、どこか恥ずかしそうなもじもじした様子に、Instagramユーザーさんからは「このもじもじ感が可愛いですね!」「いつ拝見しても可愛いです」などのコメントが寄せられており、日本のみならず海外のユーザーさんからも反響を呼んでいました。

43.5万件以上の「いいね」(取材時)がつくなど話題になったきっとちゃんについて、ねこのきもちWEB MAGAZINEは飼い主さんにお話をうかがうことに。

どの写真ももじもじ?

引用元:@kitto_kijitora

もじもじっぷりが可愛らしいきっとちゃんですが、飼い主さんによれば「いつももじもじしているので、もじもじしていない写真を撮るほうが難しいんです…」とのこと。

飼い主さんがソファに座っているといつも隣に来て、もじもじしながら見つめてくるといいます。

引用元:@kitto_kijitora

飼い主さんのInstagramの投稿を見ると、たしかにもじもじしたきっとちゃんの写真が数多く並んでいますが、それにはちゃんと理由がありました。

飼い主さん:
「当初は、珍しくもじもじしていない愛猫を撮れたときに嬉しくて、上を向いている写真や遊んでいる写真を記念に残すつもりでSNSをしていたんです。

でも、ありのままの愛猫らしい姿をアップし始めたところ『もじもじちゃん』と呼んでいただいたり、ありがたいことに『可愛い』と言っていただくことが多くて。それから、いつも通りの愛猫の姿をそのまま投稿するようになりました」

「きっと」の名前の由来は…

引用元:@kitto_kijitora

そんなきっとちゃんは元保護猫で、飼い主さんが保護施設からお迎えしました。保護当時はまだ生後6カ月ほどで、「人間大嫌い! 施設の猫ちゃんたちも怖い!」と言わんばかりに施設の隅っこで怒っていたそう。

施設の方にも、「施設イチの問題児ちゃんで…初心者の方にはオススメできません。ずっと触れないかもしれないです」と言われていたといいます。

しかし、飼い主さんは「なぜかこのコじゃないと嫌だ」と感じて、お迎えすることを決意。帰りの車内では不安もありましたが、何度も「きっと大丈夫」と言い聞かせていたのだとか。それが、「きっと」という名付けの由来だそうです。

できたこと一つひとつが大きな感動

引用元:@kitto_kijitora

施設の方の言葉通り、はじめは軍手をしなければごはんもあげられず、1カ月ほどは大変でした。人見知りなきっとちゃんに対して、飼い主さんは「とにかく怖い存在じゃないと信じてもらえるように」と心がけ、きっとちゃんと向き合い続けたといいます。

やがて、飼い主さんの努力が少しずつ実っていきました。

飼い主さん:
「シャーと言わなかった、ケージから出てきた、おやつを食べてくれた、そっと触ることができた、自分から近くに来た…その一つひとつが本当に大きな感動で。当たり前であろうそれらが、私たちにとっては大変喜ばしいことでした。

たしかに苦労したのかもしれないですけど、遥かに喜びが大きかったです。はじめて横で寝てくれた夜は、もったいなくて眠れなかったのを覚えています」

8回目のうちのコ記念日を迎えて、きっとちゃんにあらためて「ありがとう」と伝えたい

引用元:@kitto_kijitora

写真にもあらわれているように、きっとちゃんは恥ずかしがり屋で控えめな性格。飼い主さんによれば、「もじもじしながらじーっとこちらを見つめる行動は、本人なりに精一杯『触ってほしい』『こっちを見てほしい』と甘えているんです」とのこと。

年齢を重ねるごとに、甘えることもどんどん上手になっていきました。前足でちょんちょんとアピールしてきたり、大好きなおやつが欲しいときは大声で鳴いたり、いつも飼い主さんの隣にいたり、ついてきたり——言葉は通じなくても、「大好き」の思いは伝わっているといいます。

引用元:@kitto_kijitora

きっとちゃんとの出会いから8年が経過し、きっとちゃんのさまざまな成長を見守ってきた飼い主さん。これまでの日々を振り返り今どのようなことを思うのかを聞くと、「あらためて出会いに感謝しています」との思いを話しています。

飼い主さん:
「8年前に保護施設できっとと出会い、『たった1匹。数字にしたらたった1だけど、保護猫のために私も何かするんだ』と心に決めて、きっとをお迎えしました。ですが、救われたのも癒されたのも、幸せにしてもらったのも私のほうでした。

不思議ですが、きっとが無防備にすやすや寝ている姿を見るたびに、『今日も私は大丈夫』と思えるんです。きっとが私の人生のすぐそばで、どんなときもそっと寄り添って生きていてくれることが、本当に本当に幸福なことだと感じています。

きっとには、『8年間私の日々に寄り添ってくれて本当にありがとう』と伝えたいです」

引用元:@kitto_kijitora

保護猫だったきっとちゃんを家族に迎え、日々幸せを感じている飼い主さん。取材の最後に、こんな思いも話していました。

飼い主さん:
「きっとから幸せをたくさんもらっているので、今はきっとや動物の保護活動そのものに恩返ししていきたいというのが私の目標です。これからももっと自分にできることを自分なりに考えて、きっとと一緒に進んでいきたいです。

家族を求めている猫ちゃんやワンちゃんと、優しい誰かが私たちのようにご縁で結ばれますように。きっときっと…と、愛猫とともに願っています」

写真提供・取材協力/@kitto_kijitoraさん/Instagram
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文・構成/雨宮カイ

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