暑くなる時期は年々早まっている?6割が6月以降に“熱中症対策”も今の時期から重要…適切な水分補給のポイントを聞いた

もうすぐ5月になるが、春の装いで出掛けて“暑さ”を感じた人もいるのではないだろうか。すでに日中は半袖で過ごしている人もみかける。

環境省と気象庁は、「熱中症警戒アラート」よりも深刻な健康被害が発生しうる場合に発表する一段階上の「熱中症特別警戒アラート」を4月24日から運用が始まった。

こうした状況を受け、タイガー魔法瓶が15歳~59歳までの男女544人に「熱中症と水筒に関する意識調査」を3月に実施。

この熱中症特別警戒アラートを知っているかという質問に対し、「意味まで知っている」と回答した人は42.1%で、半数以上が意味を知らない、もしくは知らないという結果だった。

また、実際に熱中症対策を始めるのは何月からかという質問には、「6月」が27.9%、「7月」が32.0%と、合計で59.9%が回答。

この結果に、タイガー魔法瓶の担当者は「4月は夏に向かう月であり、油断をせず熱中症対策をしっかり行っていただければと思います。ぜひ保冷のできる水筒を持ち運び、こまめな給水を心掛けてください。スポーツドリンクや経口補水液の入れられる水筒もありますので、発汗量と体調に合わせた水分補給を行いましょう」と呼びかけている。

では実際、水分補給はどのように行えばいいのだろうか。また、持ち運びに便利な水筒の正しい使い方も気になる。タイガー魔法瓶の担当者と、調査結果にコメントを寄せた兵庫医科大学病院の医師・服部益治先生に聞いた。

1時間ごとのこまめな水分補給を

――どんなことを意識して水分補給すればいいのか教えて。 服部益治先生:
1時間ごとに100~200mLのこまめな水分補給が必要です。軽い発汗程度で塩分(NaCl)を補う目的も含めスポーツドリンク、アウトドアや長時間の外出などそれなりの発汗がある際にはナトリウム(Na)含有の経口補水液を飲むなど、発汗量と体調に合わせた水分補給が大切です。

のどの渇きを感じない時でも、1時間ごとのこまめなコップ1杯程度の水分補給で、身体に“潤い”を保つことが健康維持となります。

――水分補給で注意しなければいけないことはある? 服部益治先生:
一度にたくさん飲むと腎臓が「体内洪水」を回避するため排尿を優先し、飲水の効果半減となります。こまめに分けた飲水を意識してください。

――水分補給におすすめ、またはNGの飲み物は? 服部益治先生:
熱中症対策としての水分補給としておすすめなのは、スポーツドリンク(糖分控えめ)や、発汗時には経口補水液です。逆に、コーヒー、紅茶、緑茶のようにカフェインを含む飲み物やアルコールには利尿作用があり、飲水の効果を半減してしまうのであまりおすすめではありません。

故障の原因に?水筒NGの飲み物

なお経口補水液やスポーツドリンクは、塩分を含むため一般的な金属製の水筒に入れるとサビや穴があくなど故障の原因になるおそれがある。

今回の調査では半数以上が「ステンレス製の水筒にスポーツドリンクや経口補水液を入れるのはよくない」ということを見聞きしたことがなく、経口補水液やスポーツドリンク対応ではない水筒を使用している可能性があることが分かっている。水筒はどのように扱うと良いのだろうか。

――この結果をどのように受け止めている? タイガー魔法瓶 担当者:
金属製の水筒の中には、スポーツドリンクは塩分を含むため、サビや穴があくなど故障の原因になるおそれがあり禁止としているものがございます。誤った使い方をされないように、お持ちの水筒をよくご確認いただきたいと思っております。

ただし近年、タイガー魔法瓶を含めステンレスボトルのメーカーは、ボトルの内面に工夫をするなどして、スポーツドリンク対応の水筒を多数販売してきました。

タイガー魔法瓶のボトルには内面になめらかで光沢のある「スーパークリーン(Plus)加工」を施しており、汚れやにおいがつきにくくサビにも強いので、スポーツドリンクや経口補水液の使用もOKです。

一方でSNSを見ると、このようなスポーツドリンクを入れられる水筒があることを知らない方もいらっしゃるので、熱中症対策に活用できるアイテムとしてスポーツドリンクを保冷できる真空断熱ボトルを知っていただくとともに、スポーツドリンクを入れた際の正しいお手入れ方法を周知していく必要があると考えます。

使用後はその日のうちのお手入れを

――では、水筒の正しいお手入れ方法を教えて。 タイガー魔法瓶 担当者:
使用後は、必ずその日のうちにお手入れしてください。洗剤は家庭用の台所用合成洗剤(食器用・調理器具用)を使い、スポンジ・布はやわらかいものを使ってください。

また、スポーツ飲料を入れた場合は、使用後すぐにお手入れをしてください。外出時など充分なお手入れができないときでも、すぐに本体内側をよく水ですすぐなどのお手入れをお願いいたします。

――水しか入れたことがなくても、毎日飲み口以外も洗うべき? タイガー魔法瓶 担当者:
衛生面からも飲み口以外の本体も、使用後は必ずその日のうちにお手入れして、充分に乾燥させてください。

タイガー魔法瓶でも昨年発売した、お手入れのらくなボトルがご好評いただいております。パッキン一体型せん「らくらくキャップ」(パッキン着脱の必要がなく、ネジの位置が上部に露出しており、洗いやすい)搭載、食器洗い乾燥機にも対応していて、毎日のお手入れを簡単にしていただけます。

2023年の新語・流行語大賞には「地球沸騰化」がノミネートされ、熱中症をはじめとする健康被害の増加が今年も懸念されている。本格的な暑さはこれからだが、水筒を上手に活用して早めの熱中症予防に努めたい。

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