訪日客向け農泊推進へ 県が「農村プロデューサー」設置 元職員杉本氏が就任

農村プロデューサーに就任した杉本氏=宇都宮市

 県は25日までに、農村地域でのインバウンド(訪日客)受け入れに向け地域や農業者らをサポートする「農村プロデューサー」を設置した。プロデューサーには元県職員の杉本宏之(すぎもとひろゆき)氏(65)=大田原市薄葉=が就任し、宇都宮市一の沢2丁目の県農業振興公社内にある「とちぎ農山漁村発イノベーションサポートセンター」に常駐して活動する。

 県は本年度、農村地域に宿泊しながら農業体験などを楽しめる外国人向けのツーリズムを推進する。モデル地区を設定し、ターゲットや農業体験の内容などを定めた計画を地区で作る予定で、杉本氏は各地区の取り組みを支援する。

 地域資源の掘り起こしや、モデル地区の受け入れ態勢づくりに対するアドバイス、勉強会の開催支援などを行う。農泊や6次産業化などに詳しい県内外の専門家数十人を農村サポーターに選任し、地域に派遣することも計画している。

 杉本氏は県職員時代に主に農政部門を歩み、農産物のマーケティングなどを担当。退職後は塩谷町の副町長を務めた。プロデューサー就任を受け、「日本を訪れる外国人は増えている。県内の農村へ呼び込むため、地元の声を拾いながらインバウンドの受け入れ態勢を整えたい」と抱負を述べた。

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