電柱にカラス営巣盛ん、岩手県内停電増加 電力会社、撤去に奮闘

電柱に作られたカラスの巣を取り除く社員。停電を招くとして早期発見、対処を重視している=25日、花巻市石鳥谷町

 春を迎えて電柱へのカラスの営巣が盛んになり、岩手県内で電力会社が対応に追われている。近年は暖冬の影響からか巣作りが早まる傾向にあり、2023年度は巣を原因とする停電が前年度比4件増の10件発生した。安定して電力を供給するには効果的な対策が急務だが「特効薬」はなく、専門家は「カラスを電柱に近づけないための工夫が必要」と指摘。企業は早期の発見、対処を重視し、住民に協力を求めている。

 25日は東北電力ネットワーク花北電力センター(北上市)が花巻市石鳥谷町内で撤去作業を実施。高所作業車を使い、社員2人が高さ12メートルの電柱に作られた直径約60センチの巣を棒状の器具で取り除いた。

 木の枝や枯れ草、綿などが絡んだ巣には針金のハンガーが混ざることもあり、金属や雨にぬれた枝が漏電や停電を引き起こす。これにより、23年度は延べ約4千戸に影響。本年度は25日現在で既に2件発生し、計445戸が停電した。

 巣を発見した際は東北電力ネットワークコールセンター(0120.175.366)へ。

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