子供の本離れではなく「本の子供離れ」が課題…読書調査

子供が読書する頻度/1回あたりの読書時間はどのくらい?

ブックオフコーポレーションは2024年4月23日、「読書に関する」調査結果を公開した。子供の6割は「読書が好き」なものの、読書の機会が減ったと感じるのは「本のバリエーションの少なさ」「本を買える・借りられる場の少なさ」などが要因となることがわかった。

「読書に関する」調査は、文部科学省が実施している4月23日「子ども読書の日」に合わせて子供の読書習慣の実態を認識するべく実施したもの。2024年4月15日と16日、小学生、中学生と保護者を対象にインターネットで実施した。有効回答数は400名。

子供が小説、物語、絵本の児童書を読む頻度は、ほぼ毎日が16.5%、1週間に4~5日程度が11.6%、1週間に2~3日程度が14.6%、1週間に1日程度が15.3%という回答結果で、週に1日以上の頻度で読書をする子供が、全体の約半数以上に及ぶことがわかった。さらに、約7割の子供が、1回あたり15分以上の読書時間を取れていることが明らかになった。

本を読む子供のうち、92.8%が「紙」と回答。電子書籍が台頭する中で紙の書籍の需要は引き続き高いことがわかった。紙で本を読む理由として、最多は「施設で借りているから」37.8%となった。「お気に入りの本を所有したり、コレクションしたいから」31.8%という理由についで、「読まなくなったらリユースできるから」16.5%が3位となった。不要になった本をリユースショップに持っていく傾向があることがわかった。

子供の60.0%が「本を読むことが好き」と回答した。理由としては「物語がたのしめる」69.1%が最多で、ついで「知識が増えるから」49%。半数近くが学習目的で本を楽しんでいることがわかった。

去年と比べて、「読書機会が増えた」と答えた子供は5人に1人の割合となり、本を読む機会が増えていることがわかる。一方で「減った」と回答する子供も12.3%いることが判明。

子供が本を読む機会が減った理由として、最多は「本を読む時間がない」で6割を超えた。ついで「本の価格が高いから」「図書室などの本を借りる施設での本のバリエーションが少ない」と続く。施設で扱う本の充実度が読書機会を創るうえで重要であることが明らかになった。また、「本を買える・借りられる場所が少ない」の項目にフォーカスすると、子供の回答が4%に対して、親は12.2%の回答があり、子供の実感に反して親目線では「場の少なさ」を感じていることがわかった。

ブックオフは、寄贈と仕組み供給で、本の子供離れ解決に取り組んでおり、今後も「子供もたちに素敵な本と出会うきっかけ」「子供が読書に親しむ環境整備」「地域の読書機会の格差解消」を目的に取組みを実施していくという。

中川和佳

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