ホン・サンスが描く芸術家たちの4章の物語 クォン・ヘヒョ主演『WALK UP』6月28日公開

ホン・サンス監督作『WALK UP』が、6月28日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、Strangerほかにて全国順次公開されることが決定した。

2024年2月に行われた第74回ベルリン国際映画祭で最新作『A Traveler's Needs(原題)』が銀熊賞(審査員大賞)を受賞し、同映画祭では通算5度目の銀熊賞受賞という快挙を果たしたホン・サンス。長編第28作目となる本作は、都会の一角にたたずむ地上4階・地下1階建ての小さなアパートを舞台に、端正なモノクロームの映像で紡がれた人間ドラマ。

映画監督のビョンスは、インテリア関係の仕事を志望する娘のジョンスと一緒に、インテリアデザイナーとして活躍する旧友ヘオクの所有するアパートを訪れる。そのアパートは1階がレストラン、2階が料理教室、3階が賃貸住宅、4階が芸術家向けのアトリエ、地下がヘオクの作業場になっている。3人は和やかに語り合い、ワインを酌み交わすが、仕事の連絡が入りビョンスはその場を離れる。ビョンスが戻ってくると、そこには娘のジョンスの姿はなく……。アパートの階をひとつずつ上がるごとに、いつしか物語は4つの章へと枝分かれし、ビョンスと彼を取り巻く女性たちの人間模様は予測不能な方向へとねじれていく。

映画監督ビョンスに扮するのは、ドラマ『冬のソナタ』のキム次長役で知られ、『新感染半島 ファイナル・ステージ』、Netflixシリーズ『寄生獣 ―ザ・グレイ―』などで活躍するクォン・ヘヒョ。ホン・サンス作品では『それから』以来の単独主演を務めた。そのほか、『小説家の映画』のイ・ヘヨン、ホン・サンス監督常連俳優のソン・ソンミ、チョ・ユニらが脇を固めている。

あわせて日本版ポスタービジュアルと場面写真も公開。日本版ポスタービジュアルは、アメリカの独立系配給会社Cinema Guildのポスターデザイナーであるブライアン・ホンが手がけたアメリカ版『WALK UP』のポスタービジュアルを踏襲。ブライアン・ホンは『夜の浜辺でひとり』から長編第30作目『In Our Day(原題)』まで、近年のホン・サンス監督作品や、バス・ドゥヴォス監督『ゴースト・トロピック』などのポスターデザインで知られている。

場面写真では、主演のクォン・ヘヒョが、舞台となるアパートのベランダから街を見下ろす様子が切り取られている。

(文=リアルサウンド編集部)

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