「見た目にとてもこだわり」 カントレーが驚きのアイアン変更

クラブは見た目も大事(写真は2023年ザ・プレーヤーズ選手権)

2020年以降、初めてパトリック・カントレーがアイアンを変更した。

カントレーはギアとなると、自身の知り尽くした物に固執し続けるタイプだが、メジャー「マスターズ」前になって、遂にアイアンセットを、2017年に一般向けにリリースされたタイトリスト718 AP2から、2024年1月リリースの微調整の施されたピン ブループリントSのセットへと完全にアップグレードしたのである。

2019年「メモリアルトーナメント」での優勝を皮切りに、これまでカントレーは先代のアイアンセットをバッグに入れ、PGAツアーで計7勝を挙げてきた。しかしながら、2023年末に未使用のバックアップセットが底をつき始めるなか、アップグレードの欲求を募らせて他のアイアンをテストし始めた。

数カ月に及ぶテストの末、今年の「マスターズ」で正式にピンのブループリントSアイアンに乗り換えた。

ピンのツアーレップ、スペンサー・ロスルッバー氏によると、ピンは2023年12月に最初のテスト用セットをカントレーへ送り届けたとのこと。

ピンの新しいアイアン(提供 Courtesy GolfWRX)

当初、ライ角や長さの異なる何種類ものアイアンセットを送った。2024年「ザ・アメリカンエキスプレス」で、ピンのスタッフとカントレーはブループリントSの新セットをマッチさせるため、それまで使用していた718 AP2アイアンのスペックを計測した。

テスティングの結果、さらには「マスターズ」翌週の「RBCヘリテージ」期間中に彼らはバウンス、グラインド、ライ角、そしてロフト角など細部の最終調整を行い、やり残しがないことを確認した。

ロスルッバー氏は「チューリッヒクラシック」で、GolfWRX.comに対し「彼は見た目にとてもこだわります。我々はライ角には労力を注ぎ、さらには確実に彼のアイアンのロフトが適正になるようにしました。もちろん、トップレールからリーディングエッジに至るまで、全てが重要です。数字(スピン量と飛距離)も揃っていなければなりませんが、彼にとっては、見た目もしかるべき物でなければならないのです」と述べた。

これに加え、カントレーはフェアウェイウッドこそ、長年使用してきたタイトリスト915Fの3番ウッドと、TS2の21度を今もバッグに入れているが、ドライバーは2024年に入りタイトリストの新しいTSR2(9度)へ変更している。

カントレーはキャリアを通じて、多くのアップグレードを行う類の選手ではなかったが、2024年はPGAツアー8勝の彼にとって、変化の年となるようだ。

カントレーはチーム戦である「チューリッヒクラシック」にザンダー・シャウフェレとコンビを組んで出場。2人のデュオは2022年にこの大会を制覇しており、昨年も4位タイと好成績を収めている。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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