希少な現役稼働の「新山口転車台」 放射状に延びる線路40本【やまぐち百景】

放射状に線路が並ぶ新山口転車台

 放射状に延びる40本の線路に、キハ40、47形のオレンジ色のディーゼル車両が並ぶ。JR西日本の下関総合車両所新山口支所(山口市小郡令和)にある新山口転車台。かつては蒸気機関車(SL)の走る主要な駅に転車台はあったが、車両の方向転換を必要としない電車の普及で姿を消した。現在も稼働する駅は少ないという。

 5月3日から運行を再開する「SLやまぐち号」のD51が、ここで方向転換をして車庫へと入る。新山口駅そばにある新山口支所では、SLの方向転換や石炭の積み込みのほか、電化されていない山口線、岩徳線を走るディーゼル車両の方向転換や車両の保守・点検などもしている。

 新山口支所の転車台は1928(昭和3)年に利用が始まった。時の流れを物語る転車台の赤黒いレール。汽笛を鳴らし、煙を吐きながら力強く走るSLを待ちわびている。

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