観測衛星「だいち4号」、6月30日に「H3」ロケット3号機で打ち上げ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月30日に先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)を「H3」ロケット3号機で種子島宇宙センターから打ち上げる。4月26日に発表した。

打ち上げ時間は午後12時6分42秒~12時19分34秒。打ち上げ予備期間は7月1~31日。打ち上げ実施責任者はJAXA理事の岡田匡史氏が務める。

だいち4号は、2014年5月に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)の後継機であり、Lバンド(L帯、周波数0.5G~1.5GHz、波長200~600mm)の合成開口レーダー(SAR)を搭載する。新しく採用したデジタルビームフォーミングと呼ばれる技術で、だいち2号の3mという空間分解能を維持しながら、観測幅はだいち2号の4倍となる200kmに拡大させている。

平時の地殻や地盤変動などの観測性能を向上させたという。発災後の状況把握だけでなく、火山活動や地盤沈下、地滑りなどの異変の早期発見など減災の取り組みで重要な役割を担うとしている。三菱電機がプライムメーカーとして設計、製造を担当している

だいち4号の性能(出典:JAXA)

SARと協調観測して海洋監視に貢献するという船舶自動識別装置(Automatic Identificatin System:AIS)の受信機「SPAISE3」も搭載している。

H3ロケットは試験機2号機(Test Flight No.2:TF2)が打ち上げに成功している

だいち4号は、開発プロジェクトメンバーを中心に組織された追跡管制隊が筑波宇宙センターで24時間体制で見守るという。JAXAは、追跡管制隊が集まる運用室に寄せ書きとして飾るメッセージを募集している

先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)は、H3ロケット試験機1号機(Test Flight No.1:TF1)で2023年3月に打ち上げられたが、第2段エンジンが点火せず、軌道投入できなかった

H3ロケット(出典:JAXA)

関連情報
JAXAプレスリリース
ロケット打ち上げ計画書(PDF


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