Linux 6.8やGNOME 46採用の「Ubuntu 24.04 LTS」提供開始

by 宇都宮 充

Canonicalは25日、「Ubuntu 24.04 LTS」を提供開始した。標準で5年間のサポートが受けられるLong Term Support(LTS、長期サポート版)となるが、有償のUbuntu Proアドオンで5年間、さらにLegacy Supportアドオンで2年間延長でき、最大12年間のサポートが提供される。

本バージョンでは、最新のLinux 6.8カーネルを採用し、syscallのパフォーマンス向上やBcachefsファイルシステムへのアクセスなどを実現。低レイテンシーカーネル機能の統合により、カーネルタスクのスケジューリング遅延の削減を図った。デスクトップ環境も最新のGNOME 46となり、ファイルマネージャ、拡張可能な通知、設定周りなど、パフォーマンスおよびユーザビリティを改善している。

また、App Centerが刷新され、外観がモダンになったほか、分かりやすいカテゴリ分けやアプリ管理機能が搭載された。これにあわせ、ファームウェアアップデートを専用のアプリに分割し、管理しやすくするとともに、更新確認のためにアプリが常時実行される必要がなくなり、パフォーマンスも改善した。

開発者向けには、Python 3.12、Ruby 3.2、PHP 8.3、Go 1.22を標準で搭載。Javaは従来のOpenJKD 17、11、8のサポートを維持しつつ、OpenJDK 21がデフォルトとなった。さらに、.NET 8の導入や、Rust 1.75およびツールチェーンスナップフレームワークの同梱も行なわれた。

そのほか、Intelとの協業により、Intel QuickAssist Technology(Intel QAT)を統合。LTSとしては初の統合で、第4世代以降のXeon SP搭載環境において暗号化と圧縮を高速化することで、CPU使用率を抑え、ネットワークおよびストレージアプリケーションの性能を改善できるとする。さらに、コンフィデンシャルコンピューティングの向けた機能強化なども図っている。

なお、Windows Subsystem for Linux(WSL)においても、すでにUbuntu 24.04 LTSの導入が可能となっている。

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