『Re:リベンジ-欲望の果てに-』第3話 激情の余貴美子劇場、掌底連打からの素早いマウント

赤楚衛二くん主演の木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)も第3話。25日放送分では、余貴美子がスパークしていて眼福でした。

前回までに見立てた通り、やはりこのドラマは爽やかイケメンの赤楚くんを濃厚な世界観の中で泳がせて脱皮させようという試みに見えます。ベテラン勢に要求されている芝居が濃ゆい、濃すぎる。振り返りましょう。

■春巻きを口に突っ込むなど

作品の舞台となっている天堂記念病院で帝王として振る舞っている会長・天堂皇一郎(笹野高史)。実の娘である新理事長・市子(余)とその息子の佑馬(青木柚)、それに主人公で市子の甥っ子・海斗くん(赤楚)を食事会に集めます。

身内だけの会のはずが、なぜかそこには赴任してきたばかりで理事に就任した大友(錦戸亮)の姿も。市子理事長はこの状況がすこぶる気に食わない様子ですが、どうやら大友は皇一郎のお気に入りのようです。

ちなみにこの日のメニューはフカヒレスープをメインにした中華。前回はキンキの素揚げみたいなやつを丸かじりして視聴者の度肝を抜いた皇一郎でしたが、今回は普通にスプーンで食べてました。

この席で、市子理事長は大友が進める新病棟プロジェクトに愛息・佑馬をねじ込もうと提案。佑馬は単なる広報部員で病院の威信をかけたプロジェクトの力になるとは思えませんが、どうしても息子を出世させたい市子は納得しません。

「会長ぉぉぉおお! なぜ一族でない者にこのような権限をお与えになるんですかぁああ!」

歯を食いしばりながら怒鳴るという独特の発声法で皇一郎に迫る市子でしたが、皇一郎は市子のその口に揚げ春巻きを突っ込んで塞いでしまいます。市子が黙っても、まだ春巻きで市子の唇を凌辱するようにグリグリとこねくり回す皇一郎。海斗も佑馬もドン引きしていますが、大友は眉ひとつ動かさずフカヒレを嗜んでいます。

その後も、ひとりで理事長室のデスクを叩きながら「ぐあぁぁ! クソがぁぁ! クソッ! クソッ!」と絶叫するなど、だいぶ情緒が不安定になってきた市子理事長。このあと、今回のハイライトが訪れました。

いろいろあって前理事長の智信(光石研)の殺害を主導していた市子さん。理事会の場で、証拠となる映像をつかんだ海斗と佑馬に追及されると、最初ははぐらかしていたものの、大友の盗聴テープがとどめとなって万事休す。罪を認めるしかなくなりました。

「おかしいだろ! なんでそんな偉くなりたいんだよ! 狂ってるよ!」

佑馬が詰め寄ると、市子はおもむろに立ち上がって佑馬の顔面に左右の掌底を連打。

「おまえのためだろうが! じぇーんぶ(全部)! おまえのためだろうが!」

会議机の上に佑馬を引きずり倒すと、素早くマウントポジションを取って相手の動きを封じ、罵詈雑言という名のパウンドを叩きつけます。

「医学部にも入れない! 就職活動もまともにできない! この病院に来ても何もできない! だからぁああ! おまえのためだろうがぁぁあ!」

鬼の形相で迫る母親に頭部をロックされ、佑馬は言葉を失ってしまいました。その一部始終を眺めていた海斗も、まるで列車の人身事故を目撃してしまった新小岩駅のホームの人みたいに顔をしかめて目をそらすしかありませんでした。

■なんでこんなひどいことに

なんでこんなひどいことになったかというと、智信さん殺しは大友によるものだと疑った海斗が佑馬をそそのかして証拠を集めてしまったからなんですね。佑馬は佑馬で身分不相応な理事のイスに座りたいと思っていて、新参者の大友が邪魔な存在である。共謀して防犯カメラ映像なんかを探っていたら、智信さんを殺したのは新院長の鮎川(梶原善)と市子だということがわかってしまった。

あと、智信さんの葬式で海斗を襲い、山奥の病院で5カ月も眠らせていたのも鮎川と市子の仕業だったこともわかりました。

市子と鮎川は警察に自首。今後、天堂記念病院の中では大友の存在感がますます大きくなっていきそうです。お話としては、「大友が謎」という以外はあんまり頭に入ってきませんし、それだけ把握しておけばよさそうです。

このドラマの濃厚な世界観を彩っていた余貴美子、梶原善、笹野高史という3人のうち、今回で2人が退場することになりました。なんだか、おもしろくなる前に濃ゆい人たちがいなくなっちゃったなぁという印象で、次回以降かなりの薄味になることが予想されます。

どうなることやら。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

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