35歳の国家公務員、婚約者と世帯年収「1500万円」になる予定です。結婚後は「パワーカップル」になれますか? 余裕のある生活はできるでしょうか?

2人で1000万円以上あればパワーカップル?

パワーカップルとは、一般的に両者が高収入者のカップルを指します。高収入のラインにはさまざまな説がありますが、最低でも年収の合計が1000万円を超えることが目安でしょう。

人事院給与局が公表している「令和5年 国家公務員給与等実態調査」の報告書によると、32歳以上36歳未満の国家公務員の平均給与月額は33万8135円です。2023年度の場合は給与月額の4.5ヶ月分がボーナスとして支給されたため、それを加えると年収は557万9227円となり、2人とも同じ条件であれば合計で1000万円を超えることは難しくないでしょう。

国家公務員はパワーカップルになりやすい

国家公務員同士のカップルは、民間企業の社員同士のカップルに比べてパワーカップルになりやすいといえるでしょう。これは、公務員の給与体系が比較的安定しており、昇進と共に給与が増えていくためです。

大企業と比べると、好景気による収入アップは期待できませんが、不況で収入が大きくダウンすることもなく、景気に左右されずじわじわと確実に給与が上がっていくところが魅力といえます。

民間企業との平均年収を年代ごとに比較

人事院給与局の調査結果と、国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」の結果をもとに、年代ごとの年収を比較した結果が図表1です。なお、国家公務員のボーナスの計算は、2023年度の4.5ヶ月分で計算しています。また、年齢は、その年齢を含むそれぞれの調査の年齢階層を基にしたもので、おおよその年齢です。

図表1

筆者作成

図表1のとおり、20歳では公務員の方が70万円ほど高い年収ですが、30歳になると民間企業と同水準になるようです。その後、国家公務員の年収は40歳で700万円を超え、50歳では民間より251万円も高くなります。さらに59歳になると、その差は300万円近くと一層広がります。

この結果から、特に40代頃から双方の年収に大きな開きが出てくることが分かります。これは公務員の給与が年数を重ねるごとに着実に上がっていくためでしょう。また、公務員には待遇面でのメリットも多数あります。福利厚生の充実や、子育て支援制度の手厚さなどは、パワーカップルを目指すには有利な条件といえるかもしれません。

2人で1500万円に到達するのは50代

今回の例のように、35歳の国家公務員同士の結婚であれば、世帯年収は約1100万円となります。これは、一般的なパワーカップルの定義を満たしているといえます。

さらにこの2人が「世帯年収1500万円超えのパワーカップル」になれるのは、年収が約788万円に達する50歳以降となります。

__50歳:1576万7960円
59歳:1674万5190円__

もちろん、この試算は平均値に基づいたものであり、個人差があることに注意が必要です。優秀な公務員であれば、より早い段階でパワーカップルの仲間入りをする可能性もあります。

収入面以外のライフスタイルも重視しよう

パワーカップルは収入面だけでなく、生活水準も高い傾向にあります例えば、月に1度は旅行に行く、子どもの教育にお金をかけられるなど、ライフスタイルの質も重要な要素の1つです。

国家公務員は超高収入を目指すのは難しいかもしれませんが、休暇の取りやすさや仕事と家庭との両立がしやすい点が魅力です。また、収入が安定しているため、資産形成や投資、住宅ローンの計画も立てやすいでしょう。収入面だけでなく、このように総合的に判断して結婚生活をイメージすることが大切です。

まとめ

35歳の国家公務員同士が、世帯年収1500万円のパワーカップルになるのは、50代あたりと予想されます。遅いと感じるかもしれませんが、民間企業の平均を上回る給与水準にあり、収入面以外にも多くの魅力があります。

結婚後の生活スタイルや子育てのしやすさなども考慮した上で、パワーカップルであることにとらわれすぎず、理想の結婚生活を具体的にイメージして総合的に判断することが大切です。

出典

人事院給与局 令和5年 国家公務員給与等実態調査 報告書
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-

執筆者:渡邉志帆
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