自修館中等教育学校 大山で宿坊体験 納め太刀やとうふ作りも 伊勢原市

とうふ作りを学ぶ生徒ら(旅館 上神崎で)

自修館中等教育学校(小河亨校長)の2年生126人が4月18日と19日の2日間、大山宿坊体験を実施。大山阿夫利神社へ木太刀を奉納する「大山詣り」のほか、宿坊でのとうふ作りや座禅、勾玉作りも体験した。

同体験は、伊勢原市と市観光協会、市日本遺産協議会が協力し、大山の宿坊での宿泊客の減少対策のため市・県外の中学校や高校の修学旅行などの教育旅行の誘致を進めている、宿坊体験型教育旅行の一環。宿坊での宿泊体験を中心に、伊勢原の豊かな自然環境や歴史文化的遺産を体験してもらい、将来にわたるリピーターの獲得につなげるのを目的にしている。

自修館中等教育学校では、これまでは毎年2年生が丹沢表尾根のハイキングなどを実施。コロナ禍で旅行が中止になっていたが、今年から旅行を再開した。

学年主任の滝田和俊教諭によれば、毎日通っている伊勢原の事を、生徒にもっと知ってもらおうと大山での宿坊体験を企画したという。

今回の宿坊体験で生徒らは、大山阿夫利神社社務局で入山式に出席。その後「大山詣り」に向かうため、こま参道から女坂を上り、大山寺で休憩した後、大山阿夫利神社下社へ。用意した木太刀を奉納するなど、正式参拝した。

参拝後に下山し、グループごとに宿坊へ。そこで先導師から、大豆から作るとうふ作りを学び、各自が実践。夕食時に自分が作ったとうふを味わった。生徒からは「いつも食べているとうふとは全然ちがう。豆の味がする、家でも作ってみたい」などの感想が上がった。

生徒の中には事前に総合学習の探究の時間などを使って大山について調べていたことから、大山詣りについて、「小さい木太刀だったので、いつか本物と同じ大きさの木太刀を担いで参拝したい。昔の人は大変だったと思う」と語っていた。

宿坊に一泊した翌日は、勾玉作りや坐禅、浄書などを体験し2日間の日程を終えた。

2018年から17校が大山へ

2018年から受け入れが始まった同市の教育旅行。観光協会の市川清美事務局長によると、今回の受け入れまでに県内外から、のべ17の小中高校が宿坊体験を行っていて、初めて受け入れた帝京八王子中学校など、リピーターになっている学校や、台湾や韓国からの視察もあるという。

入山式の様子

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