まさか…スーツにスニーカーの男、店でスマホ見る 警官が様子見 急に慌てた男、店を出てタクシーに乗る 警官も別タクシーに乗り尾行 夫婦宅に着いた男、妻に詐欺師だと見破られて帰る…外で待っていた警官が逮捕

詐欺未遂、受け子を逮捕 容疑の男、余罪複数か=川口市

 金融機関職員を装い、キャッシュカードをだまし取ろうとしたとして、埼玉県警組織犯罪対策(組対)3課、川口署は25日、詐欺未遂の疑いで、住所不定、無職の男(30)を逮捕した。男は受け子で「同じようなことを何回かやった」旨の供述をしていて、県警は余罪が複数あるとみて調べている。

 逮捕容疑は氏名不詳者と共謀し、24日午前9時半ごろ、川口市の男性(84)方に市役所職員を名乗り、「還付金があります」「キャッシュカードの磁気が古くなり交換する必要がある」などと電話。同日午前10時40分ごろ、金融機関職員を装って男性方を訪れ、キャッシュカード1枚を詐取しようとした疑い。男性の妻に見破られたため、その場から立ち去った。容疑を認め、「お金が欲しくて、この仕事をやった」と供述しているという。

 組対3課によると、周辺で特殊詐欺の予兆電話が相次いだことから捜査員が蕨駅で警戒していたところ、駅前の飲食店内でスーツとスニーカー姿の不審な男を発見した。男がスマートフォンをいじりながら、慌てて店を出てタクシーに乗り込んだため、捜査員も別のタクシーで追尾。男性方に入り、出てきたところを職務質問し、「キャッシュカードを受け取ろうとした」と認めたため緊急逮捕した。

 男は秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で男性宅に向かうように指示を受けていた。「今年3月に交流サイト(SNS)の募集を見て申し込んだ」旨の供述をしているという。

 県警は犯行に至った詳しい経緯とともに、指示役などの共犯者がいるとみて調べる。

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