イギリス・ロンドン中心部を24日に暴走し、車両に衝突するなどして負傷した騎兵隊の馬2頭について、同隊は25 日、任務復帰の可否を判断するのは「時期尚早」だとした。
騎兵隊などによると、同隊の兵士らは24日、ロンドン・ベルグレイヴィア地区で馬7頭と訓練をしていた。馬が近くの建築工事の音に驚いて走り出し、乗っていた兵士4人が落馬した。
複数の馬が2階建てバスなどの車両に衝突した。このうち2頭が深刻な状態に陥り、手術を受けたという。
騎兵隊の報道官は、「この2頭が回復することを我々は願っている。2頭が公務に復帰できるほど回復するか判断するには時期尚早だ」と説明。
「しかし、可能な限り最善の獣医学的処置が施されている」とした。
また、「ヴィーダ(負傷したうちの1頭)が一番、目に見えて負傷している。血まみれでロンドン中を走る姿を捉えた画像にぞっとした」とし、次のように続けた。
「ヴィーダの手術は一晩中続いた。現在は容体が安定していて、ハイド・パーク兵舎で経過を観察している」
「(もう1頭の)クエーカーも一晩かけて手術を受けたが、未明に馬の専門病院に移すことが決まった」
「けがの程度は完全には明らかになっていないが、現段階では、骨折はないと思われる。深刻な裂傷を伴うけがだった」
兵士は3人が負傷。うち1人は退院し、2人は入院中だが、3人とも職務に復帰できる見込みという。
自転車に乗っていた市民も入院したが、詳しい容体は報告されていない。
「きわめてあり得ない」事態
ジェイムズ・カートリッジ国防調達相は25日、首都ロンドンでは毎日150頭以上の動物が訓練を行っており、24日に起きたことは「例外的な」出来事だと述べた。
「これは、きわめてあり得ないシナリオだ」と英ラジオ局LBCに語った。
「残念なことに、我々はこのような事態を目の当たりにしてしまった。しかし、私は重要なことが言える。(中略)我々が知る限り、一般市民には深刻な負傷者は出ていない。我々はもちろん、状況を注視していく」
騎兵隊の馬は数カ月間にわたる訓練を受ける。激しい交通量や、銃を使った礼砲、軍の楽隊などの大きな音に慣れさせるため、ロンドンの路上で実際に兵士が乗って訓練が行われる。
(英語記事 London horses: 'Too early to know' if Cavalry horses will return to duty)