J外国人監督が絶賛、U-23日本の“現代的SB”は「国際レベルになるものを兼ね備えている」

日本代表の大畑歩夢【写真:Getty Images】

ヘグモ監督が定例のオンライン会見で、U-23日本代表DF大畑歩夢に言及

U-23日本代表DF大畑歩夢は、4月25日にパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップ準々決勝のカタール戦でスタメン出場して延長戦の途中までプレーしてチームの勝利に貢献した。翌日、所属する浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督が定例のオンライン会見を行い、大畑について「能力も伸びているし、国際レベルのサイドバック(SB)になるものを兼ね備えていると思う」と話した。

大畑は今大会の第2戦、アラブ首長国連邦(UAE)戦にスタメン出場して左サイドから良い形で攻撃に絡んでアシストも記録していた。そして、この決戦となったカタール戦でスタメン出場すると相手が退場者を出して日本の攻撃回数が多くなる中で、左サイドからボールに関わりながらプレー。激しい戦いの中で運動量の求められるSBとして延長後半9分までプレーして4-2の勝利に貢献した。

サガン鳥栖の下部組織から育った大畑は、2022年に浦和へ移籍。そこではAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のゲームにも出場してアジアでの戦いを経験してきた。昨季はDF明本考浩、DF荻原拓也と合わせ左利きが3人もSBにいるチーム編成で思ったように出場機会を得られなかったが、オフシーズンに明本と荻原が欧州移籍して自然と存在感が強まっている。今季のスタートからはコンバートされたDF渡邊凌磨にポジション争いでは少し遅れているが、途中出場の回数も増えてきている中での代表入りだった。

ヘグモ監督はU-23日本代表について「(大畑)歩夢が五輪代表でプレーして勝利をしたので、日本代表にはおめでとうと言いたい」とコメント。そのうえで「ここ1、2か月で歩夢は大きく成長している。ビルドアップのところもしっかり成長しているし、ラストサードでもインパクトを残せている。能力も伸びているし、国際レベルのSBになるものを兼ね備えていると思う」と話した。

そのうえで、現代的なSBとも言える大畑をさらに浦和で生かす手段として「インサイドハーフにもウイングにも運動量を求めていて、ウイングは外にも中にも動くことができる。次の段階としてSBが中に入ってプレーすることも考えているし、うしろで3人でのビルドアップをすることもあるが、その時にSBがその役割に入ることも考えている」と、チームの発展形としてより柔軟な役割を与えるプランがあることも話した。

ヘグモ監督は大畑の課題について「1つ伸ばせるとしたら、ファーサイドにいる時のクロス対応ですね。このチーム(浦和)の中で背が高い選手の1人ではないので、スピードを生かしながらジャンプをすることが必要だと思う」とも話したが、沖縄県でのトレーニングキャンプの時からパリ五輪への代表入りと出場に強い意欲を話していた大畑がさらに成長すれば、ヘグモ監督とU-23日本代表の大岩剛監督の両者にとってより大きな戦力として存在を大きくしていきそうだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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