【SL】漆黒のデゴイチ、力強く試運転 SLやまぐち号・蒸気機関車D51 運転再開は5月3日、新山口-津和野駅間

新緑のJR山口線を走るD51型蒸気機関車=島根県津和野町名賀

 5月3日に運転を再開するJR西日本の観光列車・SLやまぐち号の蒸気機関車D51(デゴイチ)の試運転が26日、JR山口線の新山口-津和野駅間であった。盛大な汽笛を響かせながら力強く走る漆黒の車体をカメラに収めようと、沿線の撮影スポットは大勢の鉄道ファンでにぎわった。

 デゴイチは、客車とディーゼル機関車を連結して午前5時過ぎに新山口駅を出発した。ヘッドマークを装着しない国鉄時代を思わせる装いで走り、途中濃霧の中を疾走しながら2時間かけて津和野駅(島根県津和野町)へ向かった。

 機関車の向きを変える津和野駅の転車台では、早朝にもかかわらず約100人の鉄道ファンが出迎え、久々に戻ってきたデゴイチの勇姿を撮影した。福岡市から訪れた大学生太田寛星さん(21)は「煙の勢いがすごく、盛大な汽笛の響きも体感でき、とても感動した」と笑みをみせた。

 SLやまぐち号は、11月24日までの土日祝日を中心に新山口-津和野駅間を1日1往復運行する。デゴイチは22年5月、やまぐち号をけん引中に石炭を積む炭水車の台車に亀裂が見つかり、京都市の車両工場で修理を実施。JR西日本中国統括本部によると、もう1両の蒸気機関車のC57型も修理中で、復帰の時期は未定という。

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