【天皇賞春/データ攻略】前走重賞2着馬2頭に“ヤバすぎる明暗” 「枠関係なく消し」が浮上してしまう人気一角は

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今週は京都競馬場で天皇賞・春(芝3200m)が行われる。春に施行される最強ステイヤー決定戦。ビートブラックの印象が強く残る一戦だが、近年の勝ち馬は人気サイドに偏っている。

ここでは、過去10年から京都開催の2012~20、23年をピックアップ。ドゥレッツァサリエラにフォーカスしたデータを取り上げる。

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■ドゥレッツァに「2.1.0.1」高好走率データ

昨年は破竹の5連勝で菊花賞制覇。一躍世代トップクラスに躍り出たのがドゥレッツァだ。始動戦となった前走金鯱賞はプログノーシスにぶっちぎられる競馬での2着。あのレースをひと叩きとみなすか、世代レベルの差とみなすか……判断に迷うところだが、そんな不安を吹き飛ばす以下データをお伝えしたい。

・前走芝2000mかつ京都芝GI連対歴あり【2.1.0.1】

4頭中3頭が馬券内と高い好走率。連覇を達成したキタサンブラックのみならず、大阪杯13着と惨敗から臨んだシュヴァルグランも本番ではきっちり巻き返したローテーションでの参戦は追い風と言えるだろう。

主戦騎手のC.ルメールが騎乗できない点も不安要素のひとつとして挙げられるドゥレッツァ。確かに菊花賞の“神騎乗”を見てしまうとその気持ちを抱いてしまうかもしれないが、鞍上の戸崎圭太×尾関知人厩舎のコンビは5年前の本レースで2着あり(騎乗馬グローリーヴェイズ)。皐月賞を制した鞍上の勢いも含め、やはり侮れない1頭だ。

■サリエラに浮上する【0.0.0.12】データ

ドゥレッツァとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがサリエラだ。初の3000m超だった前走ダイヤモンドSは勝ち馬とタイム差なしの2着。当時の勝ち馬テーオーロイヤルが次走阪神大賞典を圧勝なら間接的に評価も上がってくるだろう。良血開花の瞬間に期待したいところだが、今回取り上げたいのはローテーション×斤量に関する不安要素だ。

・前走ダイヤモンドSかつ今回斤量増【0.0.0.12】

馬券内ゼロの“0%データ”に抵触。このなかには3番人気に支持されていたユーキャンスマイルもいたが、GIの厚い壁に跳ね返されてしまった。ハンデ戦の同レースから斤量増で参戦するローテーションは鬼門と言えよう。

1枠1番と絶好枠を引き当てたことで、人気に拍車がかかりそうなサリエラ。とはいえ決してスタートが速い馬とは言えず、1枠1番を引いた3走前の新潟記念はそのアドバンテージを活かすことができなかった。必ずしも内枠がプラスに働くとは言い切れないシチュエーション。前述のデータを踏まえると“枠関係なく消し”の選択肢が浮上してしまいそうだ。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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