ゼリー状のお菓子を開発 「森の芸術祭」で販売予定 学生と菓子店の協力で/岡山・津山市 

岡山県北を舞台に今秋開かれる「森の芸術祭 晴れの国・岡山」(9月28日~11月24日)に向け、同芸術祭参加アーティストの太田三郎氏(津山市北園町)が作品の一つとしてコンセプトを考案したゼリー状の菓子の開発が、美作大学の学生と老舗和菓子店・くらやの協力で進められている。

秋を代表する食べ物の一つ、柿の果肉がベース。太田氏は「種子」にまつわるアート作品を手がけてきた作家でもあることから、柿の種を入れた菓子とする。「生命の循環を象徴する種から、自然のサイクルについて思いを巡らせてほしい」と話す。

同大(北園町)でこのほど行われた試作会には太田氏や、調理師免許を持つ同大食物学科の学生でつくる「調理師会」、くらやの稲葉伸次社長らが参加。学生が調理を行った。

渋抜きした果肉を煮詰めてペースト状にして固めた柿ゼリーと、日本酒を使ったゼリーの2層。一目で分かるように透明な日本酒ゼリーの中に本物の柿の種を1粒入れた。

味わい深い柿色も特色で、今後さらに改良を重ねて完成させる。芸術祭で太田氏の作品展示会場になる衆楽園での販売を計画している。

太田氏は「学生たちが趣旨をしっかり理解してくれ、見た目も良く、柿色の発色も良かった。芸術祭のお土産にもなるといい。自然のサイクルから離れてしまった人間が、種とは何かを考えてもらうきっかけになれば」と話している。

美作大学の学生が試作した菓子

© 津山朝日新聞社