群馬・山本知事「良い結果とは言えない」 消滅可能性自治体、県内20市町村が該当

山本知事

 経済界有志や有識者らでつくる民間組織「人口戦略会議」が、将来的に消滅の可能性があるとする「消滅可能性自治体」に、群馬県内の57%にあたる20市町村が該当するとみなしたことなどを巡り、山本一太知事は26日の定例記者会見で「決して良い結果とは言えない。危機感を持っている」との認識を示した。10年前の前回公表時より状況を改善させた自治体が若年層に移住を促す施策に注力してきたことなどを踏まえ、「(県としても)群馬で働き続けたい、住み続けたいと思ってもらえる取り組みを精力的に進めたい」と語った。

 同会議は2020~50年の30年間の推計で、子どもを産む中心世代の20~30代女性が半数以下となる自治体を消滅可能性自治体とみなした。県内自治体を巡っては、同会議副議長の増田寛也氏を座長に据えた「日本創生会議」が14年に同様の根拠で今回と同数の20市町村を消滅可能性自治体とした。今回は藤岡、富岡両市と板倉町が新たに該当し、高山村と大泉、邑楽両町が脱却。減少率が最も低い吉岡町が県内で唯一「自立持続可能性自治体」になった。

 山本知事は会見で、消滅可能性自治体に該当する県内自治体が57%で全国12位の割合だった結果について、茨城は25位、栃木が33位だったことを踏まえて「良い結果と言えない」と危機感を示し、若年層や女性の定住を促す施策に取り組む意欲を示した。

 消滅可能性自治体から脱却した高山村が移住相談の強化や、教育支援の取り組みが奏功したと分析していることなどを引き合いに、「昨年の移住希望地ランキングで群馬は2位。移住を取り巻く環境は改善しつつある」と強調。知事のトップセールスによる国内外からの企業誘致を今後も進めるとした。信越化学工業が伊勢崎市に新拠点を設けると発表したことを例示して「移住や若者、女性定住に良い影響をもたらす」とし、今後も若者や女性に「働き続けたい、住み続けたいと思ってもらえるような取り組みを進める」と語った。

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