「秦野ジビエ」新しいロゴに 東海大生がデザイン考案 秦野市

坂口さんとデザインが印刷されたのぼり旗

「秦野ジビエ」のロゴマークが4月1日にリニューアルされた。デザインは東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程4年の坂口響さんが考案したもの。新しいロゴマークが印刷されたのぼり旗は、秦野ジビエを取り扱っている市内の店舗に掲示される。

鳥獣対策の一環として、秦野市や農業協同組合が捕獲したシカやイノシシをジビエにしている秦野市。市内や伊勢原市、松田町にある食肉処理加工施設と契約し、市内外への流通を図っている。これまでは「秦野産ジビエ」という名称であったが、秦野商工会議所と連携していく中で名称を検討した結果、「秦野ジビエ」という名称に変更となった。

「秦野市のジビエ肉であること」をアピールするため、市は「秦野ジビエ」のロゴマークデザインを一新することに。学生の斬新なアイデアによるロゴマークでブランド力向上を目指そうと、東海大学教養学部芸術学科の池村明生教授が担当するゼミと連携することになった。

候補として提出された学生作品の中から、坂口さんのデザインが選定された。秦野市の豊かな自然で育ったジビエ肉が表現できているか、という点が評価されたという。

授業に組み込んで

ロゴマークのデザインは昨年の1月、池村教授がはだの都市農業支援センターから依頼を受けたことが始まり。池村教授が担当するゼミを履修する学生全員がデザインを考案することになった。3年生だった坂口さんは「ジビエという単語自体初めて知った」という。ジビエとはどういったものか調べ「野生的」をデザインのコンセプトに。秦野の山を全面的に出すとともに、その中で育った鹿の角を自然に組み込むことで「秦野ジビエ」の文字の流れがきれいにまとまるようにデザインした。キャッチコピーである『自然を味わい、秦野を感じる』も坂口さんが考えたもの。「秦野という単語を入れたかった。ジビエを食べて、秦野を感じてもらいたい、という思いも込めました」と語る。6月頃、履修生全員が提出した作品の中から、坂口さんのデザインが選定された。同センターからの要望や、池村教授からのアドバイスを受けてデザインをブラッシュアップし、文字の色などを変更していったという。また、山と鹿に加え、秦野の水をイメージしたフラッグデザインも考案した。

自身がデザインしたものが何かしらの形になることが目標だったという坂口さん。「他の人のデザインを見たとき、レベルが高くて不安だった」という。「選ばれたときはすごく嬉しかったですし、自分のデザインしたものが飾られるという貴重な経験になりました」と笑顔を浮かべた。池村教授は「文字のデザインはオリジナリティを出しにくいが、独特の雰囲気で差別化することができている」と述べた。同センター職員は「新しくなったロゴマークを通じて、市内外の方へ秦野ジビエを広く知ってもらいたい」と話す。坂口さんがデザインしたロゴマークが印刷されたのぼり旗は「秦野ジビエ」を取り扱ってる店舗に掲示される。また、販売店舗を拡大するとともに、チラシなどに活用し、商品のPRを行っていく予定だ。

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