映画『ジョン・レノン 失われた週末』の公開に向けて監督インタビュー、安田顕、岡村靖幸、斉藤和義らオピニオンコメントが到着

ザ・ビートルズのファンには周知の事実ながら、本当の事情はよく知られていない、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別居していた「失われた週末」と呼ばれるプライベートな日々。その時期、ジョンはどこで、誰と、どんな生活を送っていたのか──。「失われた週末」は本当に「失われ」ていたのか。その真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』が5月10日(金)より日本公開となる。 ヨーコとの別居期間をジョン・レノンは「The Lost Weekend(“失われた週末”)」と称した。アジア系の女性メイ・パンと行動を共にしたジョンは、錚々たるミュージシャンとセッションし、友と語らい、大いに酒を飲んだ。その行動を断片的にとらえたスキャンダラスな記事によって、ビートルズファンの間でグループ解散後の人生で最低の日々だという烙印を押されてきた。だが「失われた週末」とは裏腹に、1973年の『マインド・ゲームス』、エルトン・ジョンを迎えてソロ初の全米シングルチャート1位を獲得した「真夜中を突っ走れ」を収録した名アルバム『心の壁、愛の橋』(74)、名曲をカバーした『ロックン・ロール』(75)をリリースするなど、ジョンが音楽活動を最も充実させた時期となっている。

今回、『ジョン・レノン 失われた週末』のイヴ・ブランドスタイン監督の特別インタビューが到着した。 映画化のきっかけは、メイ・パンとの出会いだった。25年前に「ジョンとの人生を映画化したい」と持ち掛けた。「『失われた週末』の真実を映画として発信することで、操られて深い恋に落ち、そして置き去りにされた勤勉な少女にきっと多くの女性たちが共感すると信じ、真心と傷心を分かち合いたかった」と振り返る。だが、メイからは時期尚早だと断られてしまう。 その後もイヴ監督はメイの友人として交流を続けた。やがて、メイ・パンが「真実を伝えたい」と大きな決断を下した。この言葉が引き金となり、リチャード・カウフマン、スチュアート・サミュエルズと3人で共同監督として本作の製作が決定。ジョンがメイのために描いた絵や落書き、親密な生活で互いを撮影した写真などにインスパイアされながら、ジョンとメイの愛に溢れた日々を伝える作品作りを進めていった。 「メイにとってその『週末』は一瞬の戯れではなく、ロサンゼルスとニューヨークの両方で過ごした、18カ月に及ぶジョンとの生活と愛の日々なんだ」とふたりは親密な関係で結ばれていたと指摘する。一般的に知られている誤解について、「奔放で無責任な時間などではなく、生産性と覚醒と情熱の期間だった」と、ジョン・レノンが公私ともに充実した日々を過ごせたのは、メイ・パンという存在があったからだと語っている。

イヴ・ブランドスタイン監督が25年の歳月をかけて完成させた『ジョン・レノン 失われた週末』をいち早く鑑賞した著名人からのコメントが到着した。 フリーアナウンサーの久米宏は、監督やスタッフが敬意を込めて仕上げた本作を「ピントも合っていないしぶれている画面も多い。しかし見終わってみるとそれで疲れるわけではない。編集者をはじめスタッフのジョン・レノンへの愛情が全てをコントロールしているからだろう。心から思った。彼にはもう少し長生きして欲しかった」とジョンへの想いを寄せた。 ミュージシャン・俳優として活躍するダイアモンド☆ユカイ「この映画を見て思ったのは、人間は誰でも2人以上の人物が宿っている。自由な不良少年のジョン・レノンとインテリの大人になったジョン・レノンの葛藤。要するにダブルファンタジーは愛であり、失われた週末は恋であったのかもしれない。レノンが死ぬときにどちらを思い描いて天に召されたか。それはこの映画を見て想像する浪漫だ」と、ジョン愛に溢れたコメントを寄せた。 音楽家の岡村靖幸「こんなに貴重で重要なドキュメンタリーは珍しいです。めちゃくちゃ面白い」と語り、その岡村靖幸とユニット“岡村和義”で活動しているミュージシャンの斉藤和義「やはり物事は一方でだけでなく、多面的に見ないと分からないと改めて思いました。初めて見る映像も写真も沢山で、それだけでも見応え充分です」と続け、ファンならずとも観どころ満載の作品だと太鼓判を押している。 1973年秋からの18カ月、ジョンはどこで何をしていたのか──。「失われた週末」は本当に「失われ」ていたのか。 その真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』は5月10日(金)より全国順次ロードショー。

コメント全文

※順不同 / 敬称略

ピントも合っていないし ぶれている画面も多い

しかし 見終わってみると それで疲れるわけではない

編集者をはじめスタッフの ジョン・レノンへの愛情が全てをコントロールしているからだろう

心から思った 彼にはもう少し長生きして欲しかった

──久米宏(フリーアナウンサー)

ジョン・レノン 失われた週末。これはレノンファンにとっては1番知りたかった歴史。

埼玉にあったジョン・レノン美術館に行った時、失われた週末の場所が本当に失われた表現をされていた。

この映画を見て思ったのは、人間は誰でも2人以上の人物が宿っている。自由な不良少年のジョン・レノンとインテリの大人になったジョン・レノンの葛藤。要するにダブルファンタジーは愛であり、失われた週末は恋であったのかもしれない。

レノンが死ぬときにどちらを思い描いて天に召されたか。それはこの映画を見て想像する浪漫だ。

──ダイアモンド☆ユカイ(ミュージシャン・俳優)

メイ・パンといえば、ロストウィークエンドの印象しかありませんでしたが、事実は、イマジンの撮影にもいたし、亡くなる寸前まで交流があったのですね。

びっくりするような貴重な映像や事実が、この映画には描かれてます。

そしてジョン・レノンという人間の弱さや不思議さも沢山炙り出されています。

こんなに貴重で重要なドキュメンタリーは珍しいです。

めちゃくちゃ面白いです。

ジュリアンとの交流やヨーコの不思議なコントロール

どれもが必見です。素晴らしい。

──岡村靖幸(音楽家)

こんなに中身の濃い時期だったとは…。

やはり物事は一方でだけでなく、多面的に見ないと分からないと改めて思いました。

初めて見る映像も写真も沢山で、それだけでも見応え充分です。

そしてなにより、ジュリアンとジョンの関係をしっかりと繋いでくれたメイ・パンの行動にはホロリときました。

この時期のジョンの作品が充実なのも納得。

──斉藤和義(ミュージシャン)

この映画の語り手、メイ・パンは、僕にとっては有名人だ。ジョン・レノンとオノ・ヨーコは、誰にとっても有名人だ。

彼らにとっての『失われた週末』は、各々の立場、見方で受け止め方は変わる。

戸惑うほどに複雑な心境なのは、これまでジョンやヨーコから語られる『失われた週末』ではないから。

真実の多面性。

誰にとっても真実なのは、ジョン、ヨーコの別居中、レノンと最も近しかった人間。それが、メイ・パンだということ。

その彼女が語る『失われた週末』は、彼女にとって『永遠の週末』だった。

ジョン・オノ・レノン没後44年。『ようやく真実を語れた』。映画のエンディングに放たれたメイ・パンのこの言葉に、彼女の想いが溢れていた。

──安田顕(俳優)

ジョンはメイ・パンを愛し、また同時にヨーコにも、常に特別の愛情と関心、そして同時に畏怖心を持っていたのではないか、と思う。

人は同時に二人の人間を心から愛すると言う事もあるのかもしれない。

──湯川れい子(音楽評論・作詞)

これまで何度も語られてきたジョン・レノンの「失われた週末」。

しかし、実際にそこにいたメイ・パンの話を聞くとことの次第は思っていたのとかなり違います。

レノン・ファンにとって欠かせない映画です。

──ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

こんなことがあったのか! 歴史を塗り替える新事実の数々! メイ・パンの著書には書かれていなかった衝撃の状況が、鮮烈な映像の数々を伴って貴方の脳を撃つ! ビートルズ・ファン、ジョン・ファン、そして全ての音楽ファンは必見だ!

──サエキけんぞう(パール兄弟、ジョリッツ)

「失われた週末」時のこの「ジョン・レノン物語」は、多種多様な人物が登場する「ビートルズ物語」に匹敵するほどの面白さだ。女性陣(ヨーコ、シンシア、メイ・パン)だけでなく、ポールとジュリアンもそこに絡んでくるのだから。

──藤本国彦(ビートルズ研究家/字幕監修)

もしジョンが存命だったら、内容が大分違った物になっていたと思う。

ヨーコの束縛から逃れ自由になった時、それ迄したいと思っていたことを実現させてはみたものの、

ヨーコなしには、これからの方向を決められないというジレンマが、ジョンの中に見え隠れしている、と感じた。

──星加ルミ子(音楽評論家/元ミュージック・ライフ編集長)

愛を求め続けたジョンが、本当の愛に包まれた時間だったのかもしれない。

メイ・パンちゃん。心が痛みました。

情報量過多。衝撃的証言。全てのビートルズファン、そしてロックファンは固唾を飲んで観るべき1本です。

──藤田朋子(俳優)

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