「SNS型投資詐欺」「ロマンス詐欺」…群馬県内で被害急増 1~3月で12件発生、総額1億4000万円の被害

 交流サイト(SNS)を通して非対面のまま、うその投資を持ちかける「SNS型投資詐欺」と「ロマンス詐欺」の被害が群馬県内で今年1~3月に計12件発生し、被害総額は約1億4000万円に上ったことが25日、県警のまとめ(暫定値)で分かった。これまでも散見されていたが今年急増し、4月に入って新たに2件(計4100万円)が確認された。高齢者を狙う特殊詐欺よりも年齢層が広く、1人当たりの被害額が大きい。県警は「必ずもうかる、という誘いは詐欺」と注意を呼びかける。

 生活安全企画課などによると、フェイスブックやインスタグラムの投資に関する広告を入り口に、ラインのグループに招待されるケースが多い。不審な投資アプリやサイトに誘導し、信じ込ませるために利益が出たように表示。さらに詐取した金の一部を「利益」として還元して信じさせ、手数料などとして金銭をだまし取る。

 広告やうたい文句で、経済系の著名人や学者から投資の指導を受けられると装う。氏名や顔写真を勝手に使われたとして実業家の堀江貴文さんや前沢友作さんがSNSの運営元に改善を求め、経済アナリストの森永卓郎さんもだまされないよう注意を呼びかけている。関係者によると、県内でもこうした著名人をかたる手口の被害があった。

 ロマンス詐欺は、SNSを介して非対面のまま外国人らを装って交流し、親近感や恋愛感情を持たせて金銭をだまし取る手口。統計上は一括されている。

 SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害者は50~60代の男性と40~50代の女性が中心。だまされていることに気付きにくく、まだ発覚していない事案もあるとみられる。同課は「薦められたアプリを安易にダウンロードせず、不審に思ったら家族や警察に相談してほしい」としている。

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