寒川高校野球部 障害のある子どもたちと交流 「誰にでもやさしく」 寒川町

ボールを投げる練習をする子どもたち

寒川高校の硬式野球部(渡邉好祐監督・部員12人)が4月20日、倉見のインドアテニス施設で、放課後等デイサービス「アフタースクールオーシャンズラブ茅ヶ崎」に通う子どもたちを対象に、野球を原型として考案されたスポーツ「ベースボール5」の体験教室を開いた。渡邉監督は、子どもたちに野球やスポーツの楽しさを伝えると同時に、「誰にでもやさしくできる人間になってほしい」と野球部員の成長を見守る。

同部では、2019年から年に1度、地域の園児から小学3年までの子どもたちを対象に野球教室を開いている。昨年は、寒川町主催のスポーツイベントでも同教室を行うなど、積極的に活動してきた。

知的障害や発達障害など、さまざまな特性がある子どもたちが参加するオーシャンズラブでは、協調性やチャレンジ精神、コミュニケーション力などを育むことを目指し、サーフィンやビーチサッカーなどのスポーツ体験を行ってきた。

今回は、渡邉監督と同スクールのGMを務める伊藤良師さんが、共に(一社)日本スポーツマンシップ協会認定のスポーツマンシップコーチだった縁で、伊藤さんから依頼。「同じ地域で暮らす同年代の子どもたちが、スポーツを一緒に楽しみ交流することに意義がある」と実現した。

同部では、子どもたちが少しでも楽しめるようにと、バットを使用せず、手のひらで柔らかいボールを打つ「ベースボール5」を採用。接し方やメニューなどを事前に部員同士で共有し、当日を迎えた。

元気のよいあいさつの後、まずはボールに慣れるためにキャッチボールを実施。「いいボール」「ナイスキャッチ」などと部員から声を掛けられると、子どもたちは笑顔を浮かべていた。その後、試合形式でのプレーも楽しんだ。

伊藤さんは「工夫をしながら進行してくれました。何より、とてもやさしく接していただき、うまく盛り上げてくれたおかげで、子どもたちがとても楽しく活動することができた」と感謝を述べ、同部キャプテンの井上幸樹さん(3年)は「僕たちも楽しかった。スポーツが面白いと知ってもらえて良かった。ありがとう」と話した。

試合形式でも楽しんだ

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