【存続の可能性が高い自治体】県内で9自治体が該当 出生率が県内トップの粕屋町はJRの駅が6つ 福岡

24日に公表された人口減少により近い将来、消滅の可能性がある自治体。福岡県でも嘉麻市や川崎町など8つの自治体が該当しました。その一方で、将来も存続の可能性が高いとされた自治体もあります。いったいどんな特徴があるのでしょうか。

24日、民間の有識者グループ「人口戦略会議」が公表した「消滅可能性自治体」。これは、子どもを産む中心の世代となる20歳から39歳の女性の人口が、2050年までの30年間で50%以上減少すると推計される自治体のことです。出生数が減少し、最終的に自治体そのものが消滅する可能性があるといいます。

福岡県内では東峰村や川崎町など8つの自治体が消滅の可能性があるとされました。

その一方で、将来も存続の可能性が高い自治体「自立持続可能性自治体」も公表されました。若い女性の減少率が20パーセント未満の自治体です。

福岡県内では苅田町や那珂川市・太宰府市・福津市など9つの自治体が該当しました。

■鬼丸ゆりか記者

「自立持続可能性自治体に入ったのは福岡市に隣接する粕屋町です。その理由の一つは交通の利便性のよさです。」

粕屋町は隣の福岡市まで車でおよそ30分で、JRの駅も6つあり、柚須(ゆす)駅から博多駅までは5分程度で行くことができます。交通の便の良さは特に20代の若者を呼び込み、過去5年間の人口は増加しているということです。

さらに、特徴的なのが1人の女性が一生の間に産む子どもの数を表す合計特殊出生率です。福岡県全体では1.40ですが、粕屋町は1.90で、県内で最も高くなっています。

合計特殊出生率を後押ししているのが、町が力を入れている子育て支援策です。

こちらは、8年前に開設された「かすやこども館」です。児童館と子育て支援センターの機能を兼ね備えた施設で、18歳までの子どもとその保護者が無料で利用できます。

■町民

「毎日利用しています。ここでいろんなママさんに会って育児の悩みを共有して助けられています。」

「住みやすいです。病院があるところはJRやバスがあるので通いやすい。」

粕屋町の箱田彰町長に、町の未来について聞きました。

■粕屋町・箱田彰町長

「子どもを産み育てられて国があると思うので、まちづくりの一丁目一番地として展開したい。」

これからますます深刻化することが予想される人口減少。自治体の存続を左右すると言っても過言ではなく、いかに子育てがしやすい街をつくっていくのかが重要です。

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