海老名市 がん患者 外見変化に支援 医療用補助具購入を助成 海老名市・座間市・綾瀬市

事業内容のパンフレットを紹介する市職員

がん患者の治療にかかる経済的負担の軽減や外見の変化に悩む人を支援しようと、海老名市は4月1日から医療用ウィッグ(かつら)や胸部補整具の購入費助成事業をスタートさせた。医療用ウィッグや胸部補整具の本体だけでなく、装着や維持管理に必要な附属品も対象に含まれ、購入費の10分の9(上限3万円)まで助成する。

がん治療では、抗がん剤による脱毛や乳房の切除手術など、外見の変化で苦しむ人が多くいる。

医療用ウィッグや胸部補整具は、数千円からオーダーメイドになると10万円を超える商品もあり、市議会や市民から助成を求める要望が寄せられていた。

海老名市は、これまで予防面に重きを置いた「がん検診」の拡充を図りながら、昨年度から若年の末期がん患者の在宅療養支援にも取り組み、予防と療養の両輪で施策を展開してきた。

医療用補整具の購入費助成は、県央地域では大和市や厚木市で取り組んでおり、他自治体でも広がりを見せている。同市では、こうした背景を踏まえて検討を重ね、「療養生活の向上と社会参加を支援する」として、今年度予算に事業費180万円を計上した。

対象者は、「申請日時点で海老名市に住民登録がある」「脱毛を伴うがん治療や胸部の外科的治療を受け、外見の変化を補うために医療用補整具を購入する」「国や県、民間の助成を受けていない」の3要件をすべて満たす人となっている。

今年4月1日以降に購入した補整具が対象で、本体だけでなく保護用ネットや容器、クリーナー、皮膚保護剤などの付属品も含め、購入費の10分の9(上限3万円)を助成する。申請方法は、申請書や診断書、領収書などの必要書類を郵送、または同市健康推進課へ提出する。

同課では「療養生活の向上や社会参加に向けて一人でも多くの方の支援につながればと考えています。お気軽にご相談ください」と話している。

(問)海老名市健康推進課【電話】046・235・7880へ。

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